株式会社藤崎 様
会社名 | 株式会社藤崎 |
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事業内容 | 百貨店業 |
Webサイト | https://www.fujisaki.co.jp/ |
インタビュー | 株式会社藤崎 マーケティング統括部 顧客戦略担当 佐々木 則和 氏、小山田 麻衣 氏 |
導入先・導入店舗 | 藤崎各店 |
目次
導入の背景
顧客システム老朽化により、必要な情報が必要な時に揃わない!
藤崎は仙台に本店を置き、東北各地区に18のサテライト店・営業所を展開。創業以来、地域のお客様とのつながりを重視してきました。1819年の創業から約200年にわたって事業を続けることができたのは、地域とのさまざまな繋がりがあってこそ。地域貢献として、これまでも地元企業や大学と連携した商品開発や、東日本大震災により被害を受けた沿岸エリアへの植樹活動といったCSR(社会貢献)活動も積極的に行ってきました。
当社が「戦略会議NEXT(顧客×商品分析システム)」(以下、戦略会議NEXT)の導入を検討するきっかけの1つが、旧顧客システムの老朽化と、それに伴う性能低下・機能不足の問題です。20年ほど前に導入したシステムですので検索速度が極端に遅く、今なら当たり前に取得できる「カードホルダーごとの顧客数や販売・購入状況」などの情報がスピーディーに得られなかったり、「レジ客数」を算出するためには多くの手作業が必要だったりといった機能上の課題がありました。
また、売場では、自分たちが設定したターゲットのお客様層が正しかったのかどうかなど、施策の結果を検証しリアルタイムでPDCAを繰り返し、改善していくことが重要です。これまでは顧客情報と商品情報が1つの仕組みで連携されておらず、それらを連動させてリアルタイムで分析、検証することも難しい状況でした。加えて、旧システムはWindows XPにしか対応しておらず、運用および保守面でも限界を迎えていました。
もう1つ導入検討の要因になったのが業務効率に関する課題です。先ほども少し触れましたが、実際の現場では、自分の売場の顧客動向をすぐに確認できなかったり、販売戦略を練る上でどの年代層にどれぐらい売れていて、買い回りを含めどの層にアプローチすれば良いのかなど、ターゲットの動向がすぐに分からない、という課題がありました。このため、どうしても現場から私たち顧客戦略部署にデータ分析を依頼せざるを得ない状況でした。
しかし、データ分析もシステムの原因で時間がかかる作業である上に、当部署に業務が集中してしまうことで、現場を待たせてしまうことが多くありました。また、DMを送付する際に必要な送付先リストの抽出も、売上明細データを基にして抽出しなければならない仕組みでしたので、非常に多くの時間がかかっていました。こういった状況からも、これら顧客に関わる業務全般の効率化を図ることも急務でした。
こういった、現場やスタッフ双方で抱える課題を解決するためにも、旧システムを刷新し、それらのデータを連携することで、誰でも必要な情報を必要なタイミングで入手できるシステムを構築する必要があったのです。
システム刷新にあたっては、数社からご提案をいただきました。例えば、あるBIツールは、柔軟性はあるものの分析画面などを逐一構築する必要があり、その分コストと時間が必要でした。また、操作が複雑になると各現場では使いづらく、情報取得の妨げにもなると思いました。一方でリゾーム様の戦略会議NEXTは、パッケージ製品ですので手軽ではありますが、ショッピングセンター向けの分析ツールとのことでしたので、百貨店における事業形態にぴったりとフィットするかどうかが少し不安な点でした。
しかし、システムデモを行っていただく中で、実際にシステムにデータをセットして分析した際に「こうやって情報を得ることができるんだ」という明確な利用シーンを描くことができたことと、リゾーム様には、定型ツールながら最大限当社の要望に近づけるよう尽力していただけたこともあって最終的に戦略会議NEXTを選択しました。また、操作に関しても、感覚で操作できる分かりやすさ、使いやすさもあり、先ほど触れた売場が持つ課題の解決や利用目的にフィットしており、現場でもしっかりと使えるツールだというのもポイントでした。
旧DWH 画面イメージ(関連購買分析)
活用事例
売場の計画に必要な情報を即座に取得。
コロナ禍での刻々と変化する状況にも対応!
戦略会議NEXTの導入・運用にあたっては、現場の意見を重視するべくマネージャーやバイヤーを中心に社内でのヒアリングを重ねました。そこで課題として挙がってきたのが、日々の売上計画やプロモーションに対しての検証方法や基準となる数値、フォーマットが統一されていないということと、それらがバラバラに存在したため、同じものでも部署や人により見え方が異なってしまうことがあることでした。今回、戦略会議NEXTを導入するにあたり、「みんなが共通語で話せるようなものを作っていきたい」ということで、さまざまな基準を統一していきながら導入を進めました。
その一例が、数値を評価する上での「基準軸」です。商品単価の計算1つを取っても、割引前を基準にするのか割引後を採用するのかがはっきりと定まっていなかったり、顧客ランクについても、一般のお客様と外商のVIP顧客とを同じ基準で見ていたりしていました。それらを整理し、改めて統一することで、売上やターゲットに関して明確な基準をもって共通語で会話できるようになってきています。
数値的な基準を統一した成果として、戦略会議NEXTで作成している月次のショップ別業績レポート「ありがとうレポート」があります。評価軸が明確なので、これがあればショップごとに何が良くて何が悪かったのかがまず一目で分かるようになっています。しかも、セット率や商品単価、顧客数など、どのような要因が売上に影響しているのかも即座に把握できます。わざわざ各現場で資料を作成しなくても、これらの状況が把握でき、しかも全社統一のレポートとして共通フォーマットで確認・議論ができるようになっています。
また、現場で最も活用されているのが、週次の売上状況や買い回り状況の把握です。戦略会議NEXT導入後は即座にこれらの状況を確認できるようになったので、シーズン計画における顧客動向の把握もできるようになりました。今では、ほとんどの現場で戦略会議NEXTを使って計画を立てるようになっています。
2019年に1階の売場を大きくリモデルした際にも、自分たちの売場はどのようなお客様に利用されているのか、商圏の中でどういう位置づけにあるのか、など戦略会議NEXTを活用しながら把握し、仮説を立てながら新しい売場づくりを進めることができました。このように、各々が設定した仮説に基づいて売場の改装(リモデル)などを計画し、実行後の検証まで自分たちで行えるようになったことは大きな成果だと考えています。
2019年7月に戦略会議NEXTの稼働を開始したのですが、ちょうどそのすぐ後に新型コロナウイルス感染症が拡大。コロナ禍においては、さまざまな状況が目まぐるしく変化し、緊急事態宣言などの影響によっても、毎月の営業状況が激しく変動します。
このような状況下でも戦略会議NEXTを活用することで、その時々の動向をすばやく把握することができました。例えば、当然コロナ禍の影響でお客様数は減少しているのですが、良く調べてみると客単価とセット率は変化していない。ということは、この厳しい状況下では来店されたお客様に1点でも多く購入していただく=客単価を伸ばしていくことが重要であるという仮説を立て、接客回数、プラス1を強化してきました。
また、コロナ禍における行動制限により、都道府県をまたぐような広範囲の移動が難しい状況でした。その中でも戦略会議NEXTでお客様の動向を追いかけることで、県外のどのエリアのお客様にアプローチすべきか?を分析し、県外のサテライトショップに本店の各ショップが積極的に「出張販売」するという形で、仙台まで来ていただくことが難しいお客様の要望にお応えしてきました。また、「会えない」ことから「贈る=ギフト」の需要が増えてきていることもあり、戦略会議NEXTから強化エリアを設定し、ギフトカタログをお送りするなど、コロナ禍でもお客様にアプローチする機会を設定することもできました。
先ほども「共通語で会話する」というようなことを申し上げましたが、コロナにより状況が刻々と変化する中、全社共通の目線で状況を把握、共有し、その時々に応じた施策を迅速に打ち出せたことは非常に良かったと思っています。
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(左)戦略会議NEXT/ショップ売場別業績レポート「ありがとうレポート※画像はイメージ」
(右)藤崎様にて作成された活用促進のための運用マニュアル「業務支援ガイドブック」
今後の展望
EC顧客と店舗顧客のデータ連携で、藤崎流の新たなビジネス展開を始動!
2021年10月に当社ECサイトをリニューアルすると共に、ECのお客様と店舗のハウスカードのお客様データを統合しました。今まではECサイトのお客様情報はECサイト内で管理されており、お客様利用状況をすぐに把握することができませんでしたが、今後は戦略会議NEXTを利用し、店舗顧客と同様に簡単に分析できる環境が整ったことになります。当社の主な販売チャネルは店舗であることに変わりはないのですが、2020年からの中期経営計画において、「本店」「外商」「地域店」「EC」の4つのチャネルをシームレスにつなぐことを掲げています。
まずは、ECリニューアルを軸に店頭とECの双方を利用する顧客を「デジタルカスタマー」と名付けて、今後は、このお客様を増やしていくことがポイントになってきます。また、地域店を中心とした地方のお客様や外商のVIP顧客に対しても、ECチャネルを活用した、より効率的なアプローチも可能になると考えられます。このように、戦略会議NEXTを使い店舗の顧客とECの顧客情報が共通化されてシームレスに分析できるようになったことで、ますますお客様へのアプローチの幅が広がると共に、今後のビジネス展開にとって大きな意義があると考えます。
今後は、より個々のお客様に合わせたアプローチ=One to Oneを強化し、現場を含めたスピーディーなPDCAの検証サイクルの推進に向けて、戦略会議NEXTをもっともっと活用していきたいと思います。
店舗とECのお客様データ 連携イメージ
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