社長の一言集

第92号 「第92号 「会社が本当に負けるときは(業績の低迷を)外部要因を理由にした時だ」業績の低迷を)外部要因を理由にした時だ」

2014/01/31
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  会社が本当に負けるときは(業績の低迷を)外部要因を理由にした時だ
                                                       2014年92号
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昨年来、円安株高が続き、一部で明るい見通しも広がっていますが、景気自体は、
決して自律的な回復基調ではありません。
4月からの消費税増税後、消費の冷え込みによる経済環境の負の連鎖は予断を許さ
ない状況です。

しかし、日本の本質的な課題は少子高齢化による人口(マーケット)減少です。
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文CEOは、セブン-イレブン40周年式典
において、「(社会)変化がわれわれの業態(が拡大するの)には大変なプラス
になった」と述べた上で「これからは人口減少、老齢化、少子化の変化に踏み込
んで、過去とは異なる成長を演出していかなければいけない」と強調しています。

その対応として、ネットとリアル店舗を融合する「オムニチャネル」を経営の
最重要課題とし、今後5年かけて1,000億円の投資を行う考えを発表しました。
並行して、雑貨店「フランフラン」を運営するバルスとの資本・業務提携、通販
のニッセンホールディングス、バーニーズジャパンなどへの出資でM&Aを加速して
います。
更に、「ネット販売にとって最終消費者にどのように届けるかが大きな課題であ
り、コンビニ16,000店舗をはじめとする店舗網を持っていることが、この課題
解決のための大きな武器になる。」とも述べています。
調達、販売、納品のそれぞれのビジネスの要を確実におさえつつあります。

年末年始はドラッカー三昧で、過去に購入したドラッカー博士の書籍を読み返した
のですが、その著書ネクスト・ソサエティ(ダイヤモンド社)の中で、2000年に既に
今日の姿を述べている事に驚きました。
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 eコマースの先行きをどう見るか?という問いに対して
 もっとも想定される流通システムは、販売のためのeコマースと配達のための
 スポットとの組み合わせである。今日おそらく世界最大の小売業者は日本の
 イトーヨーカ堂である。セブンイレブンを持っている。
 日本全国で一万店近くある。この店舗網がeコマース配達のシステムとなりうる。
 eコマースの最大の問題は配達である。
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この著書で14年も前に書かれていたメッセージは他にもあります。

●今から25年後は誰もが70代半ばまで働かなければならなくなることを承知して
 いる
●心身共に健康な者に対する定年は撤廃されているかもしれない
●50年に及ぶ職業人生活は一種類の仕事をするには長すぎる
●30年以上存続する企業はほとんどなくなっていることを覚悟しなければならない
●人口構造の変化こそ、ネクスト・ソサエティにおいてもっとも重要な要因である
 だけでなく、もっとも予測しがたく管理しがたい要因である
●組織にとってもっとも重要な変化とは、今日の情報システムでは把握できない
 外部の変化である
●流通力を持つナレッジ・カンパニー(知識を基盤とする会社)にならなければなら
 ない。製造の力では、製品を差別化しきれない。
●ほとんどのあらゆる組織にとって、もっとも重要な情報は、顧客ではなくて非
 顧客についてのものである。変化が起こるのはノンカスタマーの世界である
●今日求められているイノベーション、特に日本において求められているのは社会
 的な革新である。若年人口の減少が一番の社会的課題である
●ネクスト・ソサエティは、組織にとっても一人ひとりの人間にとっても、高度に
 競争的な社会となる 
●変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである
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まさに、私たちの現在から未来の「異質な次の社会の到来」を説いています。

高度な競争社会を生き抜くには、創造力を兼ね合わせた変化対応力が重要です。
変化に対応するためには、自社の理念、存在価値、ビジョンを深く問い直し、
未来に向けて何を守り、何を捨てるかを決断しなければいけません。
正に浮沈をかける覚悟が必要です。
更に、創造力を発揮し革新性と独自性を生み出しておく事が必要です。

昔、無敵と言われたUCLAバスケットボールチーム、ジョン・ウドゥン監督の言葉に
 「人が本当に負けるときは他人を責めた時だ」という名言があります。

会社に置き換えるとしたら
「会社が本当に負けるときは(業績の低迷を)外部要因を理由にした時だ」
でしょうか?

全ての責任は我にあり。負けるわけにはいきません。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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