社長の一言集

第33号 「できません」と云うな。

2009/02/24
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「できません」と云うな。
                           2009年33号
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 先日、弊社ユーザ様である岐阜県のスーパー様を訪問してきました。
今年も、いい決算が出せそうですと嬉しい報告を頂きました。
 更に、お客様への利益還元のために予算を投入し、新規のお客様獲得と、
離反顧客の再来店のための特別企画を実施されさていました。
1000円以上お買い上げの方に、企画商品の中からどれでも一品1円で
ご提供しますという内容です。
景気低迷の中、消費者は価格に敏感ですから反響は大きいようです。
このお店の店長さんは、顧客データを徹底的に活用されていて、色々な
企画を実施する毎に、必ず誰がどのような買い物をしたのか、どのような
販促に反応したのかを検証されていました。地元密着店舗なので、
お客様の顔と、購買状況が頭に入っているんですね。
「お客様が見えている」という言葉が当てはまる、確信を持った
営業活動をされています。
特に印象的だったのは、「苦情大歓迎」という言葉です。
苦情対応は、お客様とコミュニケーションが取れる最高のチャンスだから
という笑顔には、自店に対する大きな自信を感じました。
利益をしっかり出して、投資として利益還元が出来る企業と、赤字を出し
ながら目先の値引きで競合と戦っている企業の差があります。

最近、オムロン創業者の立石一真氏『「できません」と云うな。』
(湯谷昇羊著/ダイヤモンド社)を読みました。
立石一真氏は多くの経営者に影響を与えた方ですが
その中で日本電産の創業者永守氏が悩んで相談に来た時のやり取りに
胸を打たれました。
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文中/

「よう来たなあ。何か悩みがあるんか」
永守が悩みを打ち明けると
「何やそんなことか。そんなん悩みやない。私も同じ経験がある。
高い山に登る時には、川を越え、岩を越え、時には道なき道を
進まんならん。するとヘビに咬まれたり、野壷に落ちたりする。
それは川で洗って乾かすしかない」

永守が失敗した話をすると
「あのなあ、失敗は島と同じや。わしらの乗っているのは大きな船やない。
小さなボートや。だからいっきに向こう岸には行かれへん。
島に寄りながらやないと向こう側には行かれへんのや。
失敗の基盤が次の発展のタネになる。それでないと成功はない。
野球だって三打数一安打で名選手なんやろ」

卸室の蕎麦屋で一真は、倒産の危機に瀕した時の話をした。
「あのころはここの蕎麦代が払えず、株で払ったんや。家賃も払えん。
それに妻を亡くしてなあ」
蕎麦を食べながら一真は涙目で話した。永守は失敗したことを話すと、
一真も九割がた同じ失敗をしていた。
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経営者は、失敗を恐れて現状維持ではいけません。
100年に一度の不景気というのは、大きな変化です。チャンスです。
お客様の変化、新しいニーズ、新しい価値観を受け入れ、
自分たちの「強み」を見つけ出し、徹底して磨き、強化しなければなりません。
このコアコンピタンスの最終決断は経営者しか出来ません。

一真氏は50歳を過ぎてから、
従業員を100倍、売上高を1000倍にしました。
ピーター・F・ドラッカー博士から、
「彼ほど、技術に造詣が深く、その方向性とイノベーションについて
明確なビジョンを持っていた人を私は他に知らない」と絶賛されたそうです。
日本には、素晴らしい経営者・企業があることを誇りにし、
日々精進して参ります。

                      株式会社リゾーム
                      代表取締役 中山博光

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