社長の一言集

第32号 「諸行無常 栄枯盛衰」

2009/01/28
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「諸行無常 栄枯盛衰」
                           2009年32号
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ある勉強会で、参加者の方から講師に質問がありました。
「何故、ダイエーの中内さんはダイエーを潰したのか?」
その質問に中内さんと親しかった講師が「中内さんは無常観がなかった。」
と答えた事を今でも覚えています。
この世は無常です。
この世の現実存在は、全て姿も本質も常に流動・変化します。
カタチあるモノは必ず壊れ、生命(イノチ)あるものは必ず死す、
という現実があります。
今の栄華、絶頂期には必ず終わりが来るという自覚が、
当時の中内さんには薄かったのかもしれません。
現在も業種を問わず、多くの企業が天災ともいえる経済不況、
社会構造の激変の中で、大きな試練を受け、乗り越えなければならない
諸行無常の状況を迎えています。
流通業界、自動車業界、広告業界、そしてIT業界ですら
例外ではありません。

同じ外部環境の中で、差が出るのは経営者の舵取りです。
諸行無常にどう対応するのか?

経営には「魔がさす」ということがあります。
優良企業であったメリーチョコレートカムパニーが金融取引で
多額の損失を抱え、ロッテに支援を求めその傘下に入った昨年末の
ニュースは、正に経営者の「魔がさした」という他ありません。
「魔がさす」というのは、目先の利益、売り上げに後先を考えずに
手を出す事です。金融取引だけではなく、ブランドイメージを
壊す安売り、品質やサービスの低下は、後々「魔がさした」と
後悔することにもなりかねません。
会社は、社員と共に栄え、経営者と共に滅びるという格言の通り、
経営者の意思決定・行動に会社の運命は全て委ねられるのです。

経営者、会社の意思決定と行動の基準が何かによって栄枯盛衰の
差が出ます。その基準になる考え方は

1.自社独自の強みを活かせるか(自分たちは何業なのか)
2.特定の顧客に徹底的にこだわるか(誰がお客様なのか)
3.自社の理念に合っているか(何を理想として目指しているのか)
4.市場の将来性はあるのか(どういうニーズを満たそうとしているのか)

を常に問い続け、そこに人材、資金、時間、情報を集中させることだ
と思います。

素の心で、真っ直ぐに。

変革の時代を乗り越えるためには「素直」が原点のキーワード
かもしれません。

                      株式会社リゾーム
                      代表取締役 中山博光

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