社長の一言集

第169号「我が社の倒産確率は30%」

2020/08/31

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「我が社の倒産確率は30%」
                            2020年167号
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1991年9月にリゾームが創業し、今年9月で創業30周年を迎えさせて頂きます。

30年の歴史の中で、日本も、世界も本当に色々な出来事がありました。

1995年1月 阪神淡路大震災
1995年7月 Amazon.comオンライン書店サービス開始
2001年9月 米国同時多発テロ
2002年11月 SARSの流行
2007年1月 iPhoneの登場
2008年9月 リーマン・ショック
2011年3月 東日本大震災
2014年1月 エボラ出血熱の流行
2018年3月 米中貿易摩擦
2020年1月 新型コロナウィルスの流行

その中でも、今回のコロナ禍は、過去30年間で経験したことのない大きな変化を私たちにもたらしました。正に、世界が変わる出来事であり、ウィズコロナ・アフターコロナの始まりです。

「ウィズコロナの企業経営 ー5年に1度の危機備えをー」
『日本経済新聞』2020年7月6日 朝刊「Opinion」より抜粋
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リーダーシップの形も変わる。先行きが見えず、誰もが不安な中で、経営トップはどう振る舞うべきか。今回の危機で最も打撃の大きい観光・航空業界を例に2人のリーダーを取り上げよう。

1人目は星野リゾートの星野佳路代表だ。
5月12日に社内サイトを開いた同社の社員はびっくりしたに違いない。
そこには「我が社の倒産確率は30%」と題する星野代表のブログが載っていた。

なぜこんな物騒な文章を書いたのか。
「危機の局面では『正直さ』が一番大切だから」と星野代表はいう。客足の激減で倒産を心配しない社員はいない。そこで今期の減収幅と経費削減の進捗、そして新規の資金調達の可否という3つの変数で会社の先行きを27パターンに分類し、30%という数字をはじき出した。

むろん社員がこれに触発されて、経費削減などが深堀りできれば、倒産確率は減る。

「ブログの反響は大きく、倒産しないために何をすべきか、みんな自分の頭で考え始めた。今後も月1回のブログを更新し、最新の倒産確率を示したい」と、天気予報ならぬ倒産予報を続ける考えだ。

もう1人はANAホールディングスの片野坂真哉社長。

コロナ危機が始まると、すぐ資金の確保に動き、5月末までに手元流動性を1兆円近く積み増した。リーマン・ショック時に日本航空の動きが鈍く、最後は破綻に追い込まれたのとは対照的だった。

非常時には利益や顧客満足度といった平時の指標は意味を失い、何よりキャッシュが重要だ。そんな基本原理に忠実なアクションだった。
コロナ禍の行方は予断を許さず、足元では東京の感染者数が増勢に転じた。

仮に無事に収束しても、世界の先行きが不透明さに満ちていることに変わりはない。
新聞記事に登場する「uncertain(不確かな)」という単語の数などで算出する「世界の政策不確実性指数」は近年、顕著な上昇を見せる。
自然災害による損害総額も世界全体で増大傾向にある。

「5、6年に1度は需要がドーンと落ち込む危機が来る。そんな前提で経営しないといけない」という星野代表の言葉は、多くの企業人の胸に切実に響くだろう。

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倒産確率が日々高まる中、何の戸惑いも無用です。

この度のコロナ禍が、私たちにとって、とてつもない危機だとしても

 危機に立ちすくんではいけない。

 危機だから、やるしかない。

 危機だから、本気になれる。

 危機だから、変革できる。

 出来る、出来ないじゃない!

「やり切るしかない」という前向きな開き直りと、覚悟がリーダーには必要です。

今回のコロナ禍は、CX(コーポレートトランスフォーメーション)、正に自社のビジネス構造を転換し、組織機能を根こそぎ変換するチャンスになるかもしれません。

危機は、現実に妥協しなければ、決して破局ではありません。

                

株式会社リゾーム

代表取締役 中山博光