社長の一言集
第168号「腹に落ちるまで腹を練り続ける」
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「腹に落ちるまで腹を練り続ける」
2020年168号
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今、私たちはアフターコロナの未知なる時代へむけて大きな峠を迎えています。
リーダーの選択は、変えてはいけない事と、変えなければならない事を決めて、次の不測の事態に備える事です。
2012年79号メルマガ「"変わる"ことは"成長する"こと。」より
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松尾芭蕉は「不易流行」という言葉を残しています。
不易とは変わらないこと。
流行とは変わること。です。
変えてはいけないことと、変え続けなければならないことの大切さを伝えています。
経営も、この二つの相反する考え方を融合していかなければなりません。
みなさんは、それぞれについて何だと思いますか?
■変えてはいけないこと
創業の精神・経営理念・人が要、という根の部分。
■変えなければならないこと
立地・商品(業態)・販売方法・組織、という幹・枝の部分。
このような解釈はどうでしょう?
ネットビジネスの躍進は、その変化に更に拍車をかけます。
変えてはいけないことをないがしろにして、目先の判断で戦略を変えると
会社の独自性や存在価値を放棄してしまうことになりかねません。
私は、変えてはいけないことをきちんと守り、常に挑戦し変わり続けることが
「成長」することだと思います。
そして、その基本姿勢は、物事に「素直」であることに尽きます。
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会社の運命を賭ける意思決定は、腹に落ちるまで腹を練り続ける事が必要です。
特に、人に対する新たな方針づくり、取り組みは峠を越えるこのタイミングで
真剣に取り組むことが必要です。
入山章栄氏著「コロナ禍は変革のラストチャンス デジタル時代に欠かせぬ人事戦略」
月刊誌『Wedge』7月号より
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アフターコロナの時代には、評価制度の工夫がますます重要になる。人を成果ベースで評価する一方で、その成果が長期的な要素を含まなくてはならず、加えて多様な人に対し異なった軸で評価する必要もあるのだ。
実際、コロナ禍の前からOKR(Objectives and Key Results)といった、企業ビジョンなど大きな目標を立てて、定性的な側面も含めて人を評価する方法が、米グーグルなどに始まり、日本のスタートアップ企業にも取り入れられてきた。ドイツのSAPはダイバーシティを進めるとともに、ノーレーティング(人を数値目標のようなものだけで評価しないこと)をすでに取り入れている。こうした評価制度だけではなく、右図に示したようなイノベーション効果を高めるための人事施策が、今後は日本企業でも取り入れられていくはずだ。
このようにオンライン化が加速する中で、リアルの価値はどこにあるのか。筆者は、「腹落ち・共感」を生み出す場としての価値が残ると考える。
当面の不況期で短期的志向に陥らずに、知の探索を続けるには、企業の経営層と従業員が「自分たちはそもそも何のために存在するのか」「どのような未来をつくろうとしているのか」の長期ビジョンを納得・腹落ちしていなければならない。腹落ちしなければ、知の探索も続けられず、変化もイノベーションも起こせないのだ。この腹落ちこそが変化の乏しかった日本企業に必要なことであり、経営学ではこれを「センスメイキング理論」と呼ぶ。
そして、この傾向はコロナ禍後にさらに顕在化するはずだ。なぜなら、リモートワークで働く場合、職場の仲間や上司に囲まれず、ただ自宅のパソコンに向かっている従業員は「自分は何のためにこの会社で働いているのか?」となるからだ。リモートにより、さらに腹落ちが弱くなりかねないのである。このように考えると、「腹落ちする場としての、リアルの場の重要性」は間違いなく残るだろう。
ここまで述べたように、これから企業で進むさまざまなDXにより、知の探索の手段は広がり、それはイノベーションを引き起こす潜在性を高める。しかし、その知の探索を長期で続けるには、そもそも企業の方向性を個々人のレベルで腹落ちさせることが不可欠であり、そしてそれはオンラインだけでは不可能である。
コロナ禍で苦しい中でも、将来を見据えてデジタル化への投資を行い、従業員に企業のビジョンを腹落ちしてもらうために効果的にリアルの場でのコミュニケーションを行えるか。企業変革の「最後のチャンス」を生かせるかを、日本企業の経営者は問われている。
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知識を集めて頭で考えるだけでなく、すべてを腹に落として、自社の存在価値に賭ける戦いが始まります。
株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光