社長の一言集
第167号「危機の中で 人は成長し 危機の中で 人は本ものになる」
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「危機の中で 人は成長し 危機の中で 人は本ものになる」
2020年167号
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新型コロナウイルス感染の、経済への影響が深刻です。
トヨタの豊田章男社長は5月12日のインターネット記者会見でコロナショックはリーマンショックよりもインパクトがはるかに大きいと、危機感をあらわにしました。
更に、2021年3月期、トヨタの連結営業利益は前期比80%減の予測です。
マツダ、ホンダ、日産、三菱については、来期の予測が見通せない状況です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2019年資料によると、国内で自動車関連企業の就業者数は500万人となっています。
日本の総就業人口が6300万人なので、自粛の影響が大きな小売業・卸の1059万人、宿泊、飲食業の420万人の就業者等を加えると、少なくとも2000万人(総就業者数の約3割)の方々の雇用環境の悪化が懸念されます。
又、日本の自動車産業については、コロナ以前の問題として、自動運転、電気自動車、シェアリングエコノミー等の対応への乗り遅れが、更に深刻さを増しています。
リーマンショック発生後の2008年11月メルマガ 30号から 抜粋です
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ここ数カ月で、世界情勢と日本の景気は今までにない景気低迷を迎えています。
これは更なる景気低迷と社会環境の変化の序曲かもしれません。
しかし、変化はチャンスであり、その変化に適応した企業のみが生き残り、更に成長する切符を得ることが出来るのです。
月刊『致知』2008年5月号特集の森本美香子さんの文章より
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四十歳から伸びるには
自分の十八番を捨てること
米長邦雄 (永世棋聖)
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永世棋聖の米長邦雄氏が名人のタイトルを取られたのは50歳の時です。
プロ棋士の一生をグラフにすると、早い人は20代でタイトルを取り、それから40歳までは
横ばい、40歳からは下がる一方というのが定石のようです。
米長氏もまた、若い棋士にタイトルを奪われ、予選でもボコボコに負け、40歳前後を境に
記憶力も体力も落ちていくのが自分でも分かったそうです。
ところが、米長氏は少し違っていました。
若い10代、20代の棋士を集めて研究会を開き、彼らに将棋を教えてもらう
ことにしたのです。
そうやって若い棋士たちと一緒にやっているうちに米長氏は気づきます。
自分はこの一手で勝てると思っていたのに、なぜうまく行かないのか。
それは体力や思考力が落ちたからではありませんでした。
かつて自分が編み出した必勝パターンは、10年もすれば研究され尽くしてしまう。
誇るべき栄光の一手も通用しなくなる。
十八番の得意技を持っていたことが、かえってマイナスになる。
「それで一旦、自分を白紙に戻すことに決めたのです」と、米長氏は語っています。
そして、50歳にして名人として返り咲き、60歳の時、「1100勝棋士」の
偉業を成すことができました。
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日本電産会長兼CEO永守重信氏は4月21日の日経新聞で、「リーマンの際は中国が世界経済の回復を引っ張ったが、今回は経済的にも政治的にもリーダー役の国がいない。
コロナは去っても世界不況はとどまるというリスクを念頭に経営者は俊敏に対応しなければいけない」と警鐘を鳴らしています。
又、「50年、自分の手法がすべて正しいと思って経営してきた。だが今回、それは間違っていた。テレワークも信用してなかった。収益が一時的に落ちても、社員が幸せを感じる働きやすい会社にする。そのために50くらい変えるべき項目を考えた。反省する時間をもらっていると思い、日本の経営者も自身の手法を考えてほしい」という、アフターコロナへ向けた強いメッセージを発して下さいました。
環境がどんどん変化し、過去に蓄積してきた成功体験、ビジネスモデルが通用しなくなっています。
未曾有の危機の中で、永守重信氏のトップ自らが過去を否定し、素直に反省し、打ち手を定め、速やかに行動に移せる「超スピード経営」はさすがです。
坂村真民(仏教詩人)『坂村真民一日一言』(致知出版社刊)より
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「危機の中で 人は成長し 危機の中で 人は本ものになる」
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未来に向けて、這ってでも前へ進み続ける覚悟が必要です。
株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光