社長の一言集

第30号 成功体験が危機を招く

2008/11/26
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成功体験が危機を招く
                    2008年11月26日 30号
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ここ数カ月で、世界情勢と日本の景気は今までにない景気低迷を迎えて
います。これは更なる景気低迷と社会環境の変化の序曲かもしれません。
しかし、変化はチャンスであり、その変化に適応した企業のみが
生き残り、更に成長する切符を得ることが出来るのです。

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四十歳から伸びるには
自分の十八番を捨てること
米長邦雄 (永世棋聖)   
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永世棋聖の米長邦雄氏が名人のタイトルを取られたのは
50歳の時です。
プロ棋士の一生をグラフにすると、早い人は20代でタイトルを取り、
それから40歳までは横ばい、40歳からは下がる一方というのが
定石のようです。
米長氏もまた、若い棋士にタイトルを奪われ、予選でもボコボコに負け、
40歳前後を境に記憶力も体力も落ちていくのが自分でも分かったそうです。
ところが、米長氏は少し違っていました。
若い10代、20代の棋士を集めて研究会を開き、彼らに将棋を教えてもらう
ことにしたのです。
そうやって若い棋士たちと一緒にやっているうちに米長氏は気づきます。
自分はこの一手で勝てると思っていたのに、なぜうまく行かないのか。
それは体力や思考力が落ちたからではありませんでした。
かつて自分が編み出した必勝パターンは、10年もすれば
研究され尽くしてしまう。誇るべき栄光の一手も通用しなくなる。
十八番の得意技を持っていたことが、かえってマイナスになる。
「それで一旦、自分を白紙に戻すことに決めたのです」
と、米長氏は語っています。
そして、50歳にして名人として返り咲き、60歳の時、「1100勝棋士」の
偉業を成すことができました。
                      
これは、月刊『致知』2008年5月号特集の森本美香子さんの文章です

この文章に、百貨店、SC、量販店、大型専門店という言葉を重ねてみると
面白いですね。
そして、それぞれの時代を制覇したそれらの業態が、どのようにその自らの
成功体験を否定し、新しい学びをし、未来を切り拓いていくのか?
それが今の経営者・幹部の手腕に懸かっています。
しかし、組織が大きくなるほど変革は難しい。組織は変化を嫌い、官僚化し
現状維持を求めます。敵は、景気ではなく内部に存在しているのも事実です。
現状維持は、最悪の意思決定です。

「でけへん思うたら、でけへんやないか。」という
松下幸之助翁の言葉に私は大きな気づきを得ました。
「できる!」とトップが今、変革の舵を切らないと、船は座礁し沈んで
しまいます。その舵を切って目指す方向は、顧客満足経営です。
自分たちの本当のお客様は誰なのか?自分たちはどのような価値を
お客様にご提供出来るのか?
その為に、何に集中し、何を捨てなければならないのか?
早急な対応が必要です。
「新しい希望」に向けて。

                   株式会社リゾーム
                   代表取締役 中山博光

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