社長の一言集

第115号 「磨を求める行為・生き方は挑戦です。」

2016/01/07
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磨を求める行為・生き方は挑戦です。
                             2016年115号
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「下町ロケット」が最終回視聴率22.3%で、昨年の民放連ドラ最高数値を達成
しました。
脚本と、登場人物の組み合わせの良さもあると思いますが、私が特に好感を持
ったところは、世のために夢を定め、日々発生する様々なトラブルについて責
任者が名乗りを上げ立ち向かう姿。
そして因果応報という物事の原理原則を明快に貫いたところです。
ラストは本当にスカッとしてしまいました。

私たちのまわりでは、国内外を問わず政治、経済で大きな事件や、不祥事が発
生しています。
しかし、どれも最終的な責任者の不在、原因不明・追求途中で幕が下りてしま
った感がします。
トップマネージメントが、まったく機能していない時代になってしまいました。

ドラッカー氏は著書「経営の哲学」の中で意思決定と責任について述べていま
す。
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 組織には、守るべきいくつかの原則がある 
 透明でなければならない 誰もが構造を知り、理解できなければならない 
 最終的な意思決定者がいなければならない 
 危機にあってはその者が指揮をとる 
 権限には責任がともなわなければならない 
 誰にとっても上司は一人でなければならない 
 階層の数は少なくしなければならない
 組織構造は、あらゆる者が組織全体の仕事を理解できるものでなければなら
 ない 
 自らの仕事が全体のどこに位置し、全体の仕事が自らの仕事、貢献、努力に
 とって何を意味しているのかを理解できなければならない
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そして、人(会社)の夢(目的)には三種類あると思います。

一、自分の喜びの為の夢→欲(得ることが目的)
二、自分以外、世の為人の為の夢→志(与えることが目的)
三、自分を成長させる為の夢→磨(高めることが目的)

欲を求める行為・生き方は日常です。
志を求める行為・生き方は修行です。
磨を求める行為・生き方は挑戦です。

この三つの夢(目的)と行為のバランスで、人生も経営も人それぞれに結末が変
わります。

「磨」という夢に向かって活動されている伊與田覺先生のお言葉があります。

『致知』2014年4月号 
 伊與田覺先生(論語普及会学監)と、安岡正篤師を師と仰ぐ福島新樹会代表
 幹事の渡邉五郎三郎氏の対談より
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 私はこれまで安岡先生との道縁に導かれて学んだことを踏まえて、
 これだけは最後まで貫いていきたいと考えてきたことが三つありましてね。

 一つはきょうのテーマである学にも通じるもの、人づくりです。

 二つ目は一燈照隅です。
 どんな立場にあっても、自分の置かれた環境を明るく照らしてよりよい方向
 に変えていきたい。

 そして最後は、安岡先生が晩年よく説かれていたように、無名有力の人にな
 ること。
 人知れず己をひたすら磨き高め続けていくということですね。

 私はこの三つを貫いていくために、なおも学の道を歩み続ける覚悟です。
 (中略)

 「患難に素しては患難に行う」
 とありますが、まぁ病気になったら病気になったで、あまり気を患わさずに
 対していく。そうすると割合気が楽ですね。
 人生には困難がつきものですが、そういう姿勢で乗り越えて学びを深めてい
 く。
 そうして息を引き取る時に最も円熟した自分でありたいと念じております。
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死ぬ時が、夢の実現の時とは、本当に素晴らしい夢ですね。
しかし、最期まで鍛練を積み重ねなければならない厳しい挑戦でもあります。

私も伊與田覺先生の爪の垢ほどでもいいですから、円熟した最期を迎えるため
に素直を極める。常に挑戦という危機の中に身を置く生き方が出来たらと念い
ます。

                        株式会社リゾーム
                         代表取締役 中山博光

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