社長の一言集

第09号 『未熟だから成長する。成熟した途端に、腐敗が始まる 。』

2007/02/20
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『未熟だから成長する。成熟した途端に、腐敗が始まる 。』
                  2007年02月20日 09号
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 会社の成長過程は設立期、成長期、成熟期、衰退期で分類されます。
そして、人の一生と同じようにいつかは必ず最期を迎えるわけです。

松下幸之助翁の「ダム式経営」は、経営を学ぶ中でよく語られる
事業哲学です。
「資金、人材に余裕を持つことにより経営を安定させるために、
ダムのように常に貯めておく事」と言われていますが、事実は
別の意味があったようです。
松下幸之助翁の側近で数十年仕えられた方からお聞きしたのですが
ダム式経営の一番の目的は、「いつでも店を閉めらるよう、まわりに
ご迷惑かけないようそのための保障の資金として蓄えていた」との
事でした。
※幸之助翁は、社内では、会社ではなく店という言い方を
されていました。

始末を考えた経営に、大きな危機感、日々の感謝、そして成長の糧が
あったのでしょう。私のような凡人経営者には計り知れない境地です。

 昔、松下電器と対立した、ダイエーさんはなぜ落日を迎えたのか?
「創業者の中内さんには、無常観がなかった。」と、某大手量販の
創業者は、しみじみ語られました。
絶頂期の中内さんには、会社が潰れるという意識は微塵もなかった
のでしょう。
※晩年、お会いした時には昔の面影は、まったくございませんでした。

流通業は、昔は百貨店の時代でした、そして量販店の時代を迎え
現在はショッピングセンター全盛の時代を迎えています。
百貨店さんが、ショッピングセンターにテナントで出る時代なのです。
30年前に、誰が今の流通業の変化を予測できたでしょう?

真の成長とは、規模の拡大ではなく、お客様への貢献力を高める
適応力を高めるということなのかも知れません。
そして成長を図ることは、新しい課題との戦いです。
自分たちの未熟さを噛み締めながら、未熟さに誇りを持って
前進することです。

高齢化社会を迎え、人生において「老後」という言葉は過去のものに
なりつつあります。再雇用等により、死ぬ直前まで「現役」という
時代を迎えています。
流通業にお世話になって、私も今年で30年目を迎えさせて頂きます。
そして、若さの秘訣は、新しいことに挑戦すること、未熟者であること
と考えています。

                   株式会社リゾーム
                    代表取締役 中山博光

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