社長の一言集

第70号 風が吹けばどのようにして儲ける?

2012/04/02
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風が吹けばどのようにして儲ける?
                                                       2012年70号
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「風が吹けば桶屋が儲かる」という日本のことわざがあります。
出典は定かではありませんが、東海道中膝栗毛や古典落語で話が出てきます。

以前に、ニトリの似鳥社長のお話を聞かせて頂く機会がありました。
※平成23年度2月期決算で3,140億の売上実績の躍進企業です。
昭和47年に北海道で1.6億の年商でスタートしたニトリが急激に年商を
伸ばしたのが、2008年のリーマンショック以降です。
似鳥社長は、「数年前から金融破綻後の不況を予測して待っていた。」と話され
ました。
2006年から3年間の間に資金を準備して、2009年から一斉に値下げ広告を始めた
のです。確かに当時TVで値下げCMが頻繁に出ていました。
ことわざではないですが、似鳥社長は風が吹く事を想定して、桶を準備して
いたのです。正に、「チャンス到来!」です。
そして資金は値引きだけではなく、出店と人材確保にも向けられました。
景気が悪いので、?投資が半分で済む、?いい場所を確保しやすい、?金利が安い 
そして、?採用がしやすい、?スカウトがしやすい、更に、?社員が育つ、
?輸入が得、等の環境変化を活かした手を打ったのです。
同じ家具業界の大塚家具はリーマンショック以降業績を落とし、5年前には720億の
売上が今期は540億になってしまいました。
風が吹いたら桶屋だからどこの桶屋も儲かるという話ではないようです。
又、桶屋だけが儲かるのではなく未来を予測してきちんと対処した企業だけが
生き残るのです。
ご存知のように、ニトリは家具も販売していますが家具屋ではありません。
似鳥社長は「製造流通小売業」だとビジネスモデルを定義していました。
だから海外で生産・輸入し、販売品目は家具だけではなくインテリア、食器、
家電、改装まで広がります。
最近は自らショッピングセンター経営に乗り出し、更に領域を拡大しています。
景気が悪くなるとテナントが集まらない、高齢化が進むと遠方まで買い物に
行けなくなる、ガソリンも高騰している、だから近隣で買い物を済ます。
だから、パワーテナントであるニトリが自らデベロッパーとなり、近隣型SCを
展開していくという構造です。

江戸時代初期の陽明学者「中江藤樹」の言葉があります。
「順境にいても安んじ、逆境にいても安んじ、常に坦蕩々(タントウトウ)
 として苦しめるところなし。これを真楽というなり。」

人生も経営も順境と逆境の繰り返しです。一喜一憂せず、それを素直に受け入れて
物心を備えておくことが必要です。
松下幸之助翁は「好況よし、不況さらによし」とし、ダム式経営で不況時に
業績を拡大させました。

生前に松下幸之助翁が愛弟子の木野先生に残した21世紀に向けての予測です。
■21世紀は小が大を制する時代
■持っていることが困る時代
■人の価値を活かす時代
そして、松下電器と言う社名が変わるかもしれないとも述べています。

経営の神様は、確かに未来の風を読んでいたようです。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光 

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