社長の一言集
第222号「危機とは危険と機会の複合物」
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「危機とは危険と機会の複合物」
2024年222号
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2024年も終わりに近づきました。今年は本当に多くの出来事がありました。
年初には石川県能登地方で震度7の地震が発生し、その後も豪雨災害や全国的な猛暑が続きました。
政治面では、トランプ氏が再びアメリカ大統領に選ばれ、日本では石破茂氏が自民党の新総裁に就任し、与党が過半数割れとなりました。
経済面では、日本銀行が利上げを実施し、日経平均株価が大きく変動したりしました。
技術分野では、AI関連企業や半導体のNVIDIAが急成長です。
国際問題ではウクライナ、イスラエル、シリア情勢も大きな不安要素です。
これらの出来事は、数年前の私たちにとって予期せぬものであり、世界的危機の火種が発生しています。
2025年の日本経済については、インフレ、労働力不足、物価・仕入れ価格の上昇が止まりそうにありません。
さらに、金利の上昇やコロナ融資の返済等で、倒産や廃業する企業が更に増加する傾向があります。
特に、小売業、飲食業、宿泊業、サービス業などの非製造業は、消費の低迷により更に厳しい状況が続きそうです。
このメルマガも18年続けさせて頂いていますが、多く出てくる単語が「困難」「危機」です。
読み返してみると、その間、私たちには東日本大震災含め本当に色々な危機的状況、困難がありました。
そうした中、「困難」・「危機」について、先人たちが残してくれた言葉が励みとなっていました。
<過去のメルマガから抜粋>
松下幸之助翁の残された格言には、「困難」という言葉が多く出てきます。
数々の困難を乗り越え、経営の神様にまで到達した幸之助翁の困難に対しての取り組み方とは何だったのでしょう。
幸之助翁は、困難に出会ったとき、「絶えず大事に直面してもうろたえるな」と言葉を遺されています。
困難を真正面から受け止め、策を弄せず、小手先で解決しようとしない。
その困難の本質を見極め、決断し、全力で取り組む、というやり方です。
この積み重ねは、鍛錬となり、多くの危機を乗り越えるだけではなく、松下電器の経営革新に活かされました。
元ユニ・チャーム株式会社 取締役 ファウンダー 高原慶一朗氏の言葉も励みになります
『理屈はいつも死んでいる』 高原慶一朗氏著 サンマーク出版
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危機とは危険と機会の複合物。ですから、ある人にとっての危機は、別の人にとってはまたとない機会なのです。
実際、日本人はむかしから、向かい風をチャンスととらえる柔軟性に富み、ピンチをチャンスに変えてきた実績がたくさんあります。
敗戦からの急速な復興はその典型でしょう。
あのときの日本は、世界がびっくりするほどの復元力を発揮しましたが、その復元力の源泉は、日本人のたぐいまれな適応力にありました。
適応力とは変化への対応力のこと。
日本人はその変化力の高さを強みとして、敗戦の痛手からいちはやく立ち直ったばかりでなく、ここまで成長することができたといえるでしょう。
つまり私たちは、時代や社会が生きて動いている現場、その現場から、いろいろなものを「理屈ぬきで」消化吸収する力がきわめて強い民族なのです。
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正に、今の時代は「危機」の真っただ中だと思います。大災害リスク、人口減少、超高齢化社会の到来、AI社会のひずみ、貧富の差の拡大、国際情勢、あげればきりがありません。
しかし、本質的な危機は外部環境だけではなく、私たち自身の適応力、備え不足なのかもしれません。
「大事に直面しても、うろたえない」ための、危機意識、胆力が昔に比べ不足している気がします。
今まで誰も経験した事のない、未知なる時代の到来です。
この時代は「危機」であると同時に、「転機」でもあり、「好機」でもあります。
この「危機」を「転機」、「好機」に活かす経営のキーワードは、「挑戦」、「革新」、「創造」です。
困難、苦労を厭わず、やり遂げるしかありません。
出来るだけ苦労をしたくない、させたくないという考え方・妥協で、日本の未来の幸せの芽を減らすことは出来ません。
2024年は多くの変化の年でしたが、これらの経験を糧に、2025年も前向きに取り組んでいきたいと思います。
新しい年が皆様にとって実り多いものとなることを願っています。
▼ 追伸 ▼
年末になると、いつも読み返す実話を掲載した過去のメルマガがあります。
困難を縁として受け止め、それを活かす事を思い出させてくれるお話です。
お時間がございましたら、是非ご一読下さい。
「志が縁をつくり、感謝が縁を活かす」(RHIZOME PRESS / Vol.026)
株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光