社長の一言集

第26号 志が縁をつくり、感謝が縁を活かす

2008/07/23
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志が縁をつくり、感謝が縁を活かす
                    2008年07月23日 26号
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最近、教員採用の不正、親子関係の暗いニュースが連日ニュースで
取り上げられています。
時代の潮目が景気だけではなく、価値観・常識まで大きく変わる中で
何かを変えなければならないという意識は誰もが持っているのですが、
同じように今日を迎えています。
そうした中で、個人的な意見ですが月刊誌「致知」や「理念と経営」と
いう本は、私たちの人生の大きな道しるべではないかと思います。
今回は、暗いニュースが多い中、月刊誌「致知」編集発行人藤尾秀昭氏が、
月刊誌「致知」連載にご登場された鈴木秀子先生に教わったお話を掲載
させて頂きます。

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「縁を生かす」

その先生が五年生の担当になった時、一人、服装が不潔でだらしなく、
どうしても好きになれない少年がいた。
中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。

ある時、少年の一年生からの記録が目に止まった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。勉強もよくでき、将来が楽しみ」
とある。

間違いだ。他の子の記録に違いない。先生はそう思った。

二年生になると、「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」
と書かれていた。

三年生では「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りをする」
三年生の後半の記録には
「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」とあり、

四年生になると
「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供に暴力をふるう」

先生の胸に激しい痛みが走った。
ダメと決めつけていた子が突然、深い悲しみを生き抜いている生身の人間
として自分の前に立ち現れてきたのだ。

先生にとって目を開かれた瞬間であった。
放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?
分からないところは教えてあげるから」

少年は初めて笑顔を見せた。

それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。
授業で少年が初めて手をあげたとき、先生に大きな喜びがわき起こった。
少年は自信を持ち始めていた。

クリスマスの午後だった。
少年が小さな包みを先生の胸に押しつけてきた。
あとで開けてみると、香水の瓶だった。
なくなったお母さんが使っていたものに違いない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。

雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、気がつくと飛んできて、
先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
「ああ、お母さんの匂い!きょうはすてきなクリスマスだ」

六年生では先生は少年の担任ではなくなった。
卒業のとき、先生に少年から一枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。
そして、いままで出会った中で一番すばらしい先生でした。」

それから六年。またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担当してもらって、
とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって医学部に進学することが
できます。」

十年を経て、またカードがきた。
そこには先生と出会えたことへの感謝と父親に叩かれた体験があるから
患者の痛みが分かる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

「僕はよく五年生の時の先生を思い出します。あのままだめになってしまう
僕を救ってくださった先生を、神様のように感じます。
大人になり、医者になった僕にとって最高の先生は、五年生の時に
担任してくださった先生です。」

そして一年。届いたカードは結婚式の招待状だった。
「母の席に座ってください」と一行、書き添えられていた。


たった一年間の担任の先生との縁。
その縁に少年は無限の光を見出し、それを拠り所として、それからの人生を
生きた。ここにこの少年のすばらしさがある。
人は誰でも無数の縁の中に生きている。
無数の縁に育まれ、人はその人生を開花させていく。
大事なのは、与えられた縁をどう生かすかである。

                月刊誌「致知」編集発行人藤尾秀昭

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経営も、人生も縁です。
色々な縁がある中で、
良縁と巡り合うには、良き志が必要です。
良縁を活かすには、感謝が必要です。
原油高、穀物高騰等の外部環境に景気も業績も翻弄されています。
しかし、ピンチだけではなく必ずその陰にチャンスが潜んでいます。
「どうすれば、お客様に喜んで頂けるか?」お客様の立場で考える。

今からの企業の業績は、志の決算書かもしれません。

                   株式会社リゾーム
                   代表取締役 中山博光

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