社長の一言集

第210号「世の中でひとつしかない一枚の美しい織物」

2023/12/26

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「世の中でひとつしかない一枚の美しい織物」

                2023年210号
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2023年もあと数日で終わろうとしています。
政治、景気、異常気象については、来年も、落胆と、不安が続きそうです。
経営者にとって、正に今まで誰も経験したことのない時代の大きな転換期です。

「経営」という言葉は、もともとは仏教語であり、現世での修行のことだと、
禅の高僧・松原泰道先生は語られています。
そもそも「経」とは、縦糸の事であり、縦に真っ直ぐに長く続く事から、
時代や場所が変わっても、常に通用する不変の原理であるとも語られています。

しかし、今の時代、常に通用する不変の原理はあるのでしょうか?

今後、会社の将来は三つあると思います。
業績不振、コロナ後遺症、資金ショート、後継者不在等で、「潰れる会社」。
コストダウン、規模の縮小、M&A等で、「生き残る会社」。
そして、「勝ち残る会社」です。

勝ち残る会社とは、どんな会社なのでしょう?不変の原理とはなんなのでしょう?
その参考になる松下幸之助翁のメッセージがあります。

木野親之先生の著書『松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日』コスモ教育出版刊より
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「人間は勝たねばならない、問題は何に勝つかだ。
未来に思いをはせるものが勝つと思う」と。
「ビジョンが自分に使命を知らしめてくれるから。
ビジョンが使命を再確認し誇りと自信を与えてくれるから。
そして、夢を膨らませてくれるものだから。
ビジョンで未来を創造し、未来を設計するものが勝利者となる。」と
幸之助は、「問題の数だけ希望が生まれた」と
乗り越える喜びを語ってくれました。
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「人間」を、「会社」に置き換えて少し文章を変えてみました。

会社は勝たねばならない。
未来を信じ、自らの使命を確信し、夢と希望を持って
ビジョンを掲げ、未来に挑戦する会社が勝ち残る会社となる。
当然、高いビジョンを掲げるほど課題、問題も山積みし挫けそうになる。
しかし、課題・問題にコツコツと取り組み、乗り越えた時の喜びは、
何物にも変え難い宝である。

ビジョン、使命感で時代適応ビジネスを創造する。
ビジョンに共感した人財を集める。
困難を糧に大いに奮起し、成長の糧にできる。
それが実践できる会社こそが勝ち残る会社なのですね。

冒頭の、経営の「営」とは横糸の事で、
「ビジョン」を掲げ、その時代に素直に適応しながらも、
着実に進化・成長していく事(熱心ないとなみ)と解釈してみてはどうでしょうか。
縦糸と横糸が上手く織られる事によって、世の中でひとつしかない一枚の美しい織物
(企業)が出来がるのです。

失念してしまいましたが、ある経営者の言葉です。
「方法論に走ると敵との戦いだが、原理原則論に戻ると自分との戦いになる。」
戦略、戦術で戦うと競合との戦いになる。
しかし、経営理念、ビジョンで戦うと自分との戦いだ。
経営も、人生も「何を念って取り組むか」が、その会社の存在価値の全てである。

会社の将来は三つあると言いましたが、四つ目がありました。
勝ち残る会社が、常に不測の事態に備えることにより、「常勝の会社」になります。
どんな時でも、「想定外」、「予測不能」、「まさか」を言い訳にしない会社です。


株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光

▼ 追伸 ▼年末になると、いつも読み返す実話を掲載した過去のメルマガがあります。困難を縁として受け止め、それを活かす事を思い出させてくれるお話です。お時間がございましたら、是非ご一読下さい。「志が縁をつくり、感謝が縁を活かす」(RHIZOME PRESS / Vol.026)https://www.rhizome-e.com/company/collection/collection26.php?site=hl_test