社長の一言集

第162号「人は自分で考えて生きなければならない」

2020/01/28

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「人は自分で考えて生きなければならない」
                            2019年162号
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政府は、今月19日の社会保障改革案で70歳までの雇用を企業に促し、年金受給開始年齢の上限を75歳まで引き上げる意向を示しました。

「生涯現役で活躍できる社会」というスローガンを掲げていますが、「生涯働かないと生きていけない社会」の到来を突き付けたのが現実です。


一方では、健康面、親の介護等で働きたくても働けない人も年々増えています。
日本の厳しい未来と己を直視した対応が、会社にも、個人にも必要です。

井上日宏氏著『一度の人生、「自分」を生きろ!』(サンマーク出版,2004年)
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おのれをよくわきまえず、いまという時代も掌握せずに、ただめくら滅法になにかをやっても、ちょっと開運とはかけはなれた無駄骨折りに終わるので
はないでしょうか。


流行の波に乗れとか、ひとの船に便乗するとか、だれかの後ろについていくというのでは、求めるものとは はなはだ異なったことになってしまう恐れがあると思います。

自分がなにを持っているか、なにができるか、なにをしなければならないかを知っていれば、盲目的につっぱしったり、他人の言動にまどわされたりすることもないはずです。

1978年、ハーマン・カーンが来日し、日本のトップ経済人を前にした講演で、「すでに世界は、二十一世紀に向かって歩を進めていることは確かである。そしてこれからの時代に優位に立つ産業としては、第一がレジャー産業、第二が情報産業であろう。

理由は、人間はなぜ学び、なぜ働くかという質問に、いまの若者のほとんどが、いかに遊ぶかのため、あるいはいかにレジャーを楽しむかのために学び、あるいは働くと答えるからである。
情報産業は、高度情報通信システムにより、世界が狭く、小さく、そしていままで手の届かなかったものが身近につかめるようになり、見ることのできなかったものが、目の前に見られるようになり、勤め人が家にいてコンピューターの前に座るだけが仕事になってくる。ニューメディア時代がくるであろう」発言しています。

しかし最後に、つぎのようにも述べています。
「そういう時代がくると、人間として人種として求められるのは、フィロソフィア(哲学者)であろう」

そのとき、私はこれからは哲学科の学者とか哲学科を専攻したひととかが、優先的に求められるひと、という意味だと単純に考えていました。

けれども最近になって、 カーンのいわんとしたことがはっきりとわかったのです。

カーンのいった哲学者、これから求められる人材とは、考えるひと、考えることを助けるひとという意味だったのです。
すなわち、考えることができない人間、考えることを忘れて働く人間はすでに、求められる人間像ではなくなる、ということです。

つまり、哲学者が求められるとは、ソクラテスの「汝自身を知れ」、デカルトの「我思うゆえに我あり」ではないでしょうか。


であれば、いま、汝自身を知るために考えるひとになり、我思うゆえに我ありのために考えることを助けるひとにならなければならないのです。

そこに人間としての生活の大切さが示されてくると思います。


コンピューターの前に座るのが働くということになると、 人間は考えることができなくなってしまいます。
「侾」という字があるのか、ないのか、ともかく考えながら働くということこそ大切なことなのです。


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今の時代、ネットで検索すれば多くの情報、人の意見、評価が簡単に手に入ります。考えているつもりが、人の知識を閲覧し、そこから選ぶ、判断するという流れになっていないでしょうか。


本当に考えて生きているか? 自問自答しなければなりません。

時代を捉え、真剣に考える。それがそのまま人生の源となります。

良き事を念う。良き言葉を使う。自ら行動を起こす。
たとえ半歩でも、昨日より前進する。
絶えず考え、行動し、変化を続ける。


人は自分で考えて生きなければならない。
そうでないと、自分が生きたように考えてしまう。
「念い」がその人の人生をつくる。死ぬまで人は成長できる。


何のために、誰のためにその命を燃やしたのか?
それが自分の生きた証である。   

    

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今年もご愛読ありがとうございました。
リゾームもお陰様で来年は創業30年を迎えさせていただきます。
三日坊主、石の上にも三年、三十にして立つ。
三十年経営をしてみて、やっとゼロから一になったという感想です。
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「志が縁をつくり、感謝が縁を活かす」(RHIZOME PRESS〔Vol.026〕)
              

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代表取締役 中山博光