社長の一言集
第163号「 自由とは『囚われない』、『依存しない』、『素直』であること。」
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「 自由とは『囚われない』、『依存しない』、『素直』であること。」
2020年163号
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2020年、不安で、先行きの見えない予測不能の年の始まりです。
中国発の新型コロナウイルスによる新型肺炎も、まさに青天の霹靂です。今後、中国経済や世界的な景気後退リスクが懸念されています。
一方では覇権、寡占化、異常気象で政治も、ビジネスも翻弄されています。
しかし、立ち止まるわけにはいきません。
売れ筋追求ではなく、ひとりの読者に長く読んでもらえる本づくりを目指す「夏葉社」の創業者島田潤一郎氏の、「嘘をつかない、裏切らない、僕は具体的な誰かを思って本をつくる。それしかできない。」という帯のメッセージが目に留まりました。
島田潤一郎氏著『古くてあたらしい仕事』(新潮社,2020年)
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人と人のあいだに
小さな仕事は、小さなきっかけからはじまる。
だれかの一言から。ふと思い出した記憶から。昨日読んだ本の一節から。
それは、市場に転がっているのではないし、業界内の特別なコネクションのなかにあるものでもない。
それは、人と人とのあいだにある。
だれかを喜ばせたいという気持ちで、なにかをつくろうと考え、そのためにだれかの力を借りる。
それはぼくの仕事のように形をともなうものかもしれないし、すぐに消えてなくなってしまうものかもしれない。
でも、だれかのための仕事は、世の中がどんなに便利になっても、消えてなくなるものではない。
それが、この世界を10年続けた、ぼくの結論だ。
小さな仕事のすべてに価値があるとは思わない。ミニマルであることにこそ価値があると考えるようになってしまったら、それは単なる思考停止だ。
そうではなくて、大きな資本にはできないことをやることが、小さな仕事の価値なのだ。
言い方をかえれば、大多数の側に立つのではなく、少数派の意見の立場に立つということ。
市場の原理で導き出される結論よりも、個人的な思いを優先するということ。
大きな会社にそれができないとはいわない。
けれど、小さな会社であれば、より果敢な選択ができる。個人であれば、さらに小さな場所から、小さな仕事を選択することができる。
ぼくが尊敬するサッカー監督のジョゼップ・グアルディオラは、次のようにいっている。
わたしは監督としての経験から、いかなる状況においても「非常に勇敢であることのたいせつさ」を学んだ。
人は生きる上で、「勇敢」になるか、「非常に勇敢」になるかのどちらかを選ばなければならないものだ。
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不確定、不透明、不安定の中、10年、20年、30年先まで存続できる会社とはどんな会社なのでしょうか?
規模の大小、歴史や知名度の有無が、未来に存続する保証になるということではないようです。
存続の仕方も色々です。
リストラ、資産売却、規模縮小で「生き残る会社」もあれば、人を活かし、不要な資産を持たず、継続成長で「勝ち残る会社」もあります。
しかし、今後は「勝ち残っていた会社」でも、時代の変化に対応できず、ビジネスモデルも陳腐化してしまい、後継者不在で廃業、自滅する会社が増えそうです。
島田潤一郎氏の言葉が心に刺さります。
「だれかのための仕事は、世の中がどんなに便利になっても、消えてなくなるものではない。」
経営は、勝ち負けではなく、「だれか」がきちんとイメージ出来て、その人のために、まっすぐに、自由に、果敢に挑戦していくことではないかと思います。
自由とは「囚われない」、「依存しない」、「素直」ということです。
存続のために迷うのではなく、自由のために悩み、苦しむ道が会社の未来をつくります。
中国の新型コロナウイルス支援として、日本の行政、企業、個人から大量のマスク、防護服が支援物資として中国に送られています。
迅速に支援に乗り出した日本に対して、中国のSNSでは「日本、マスクありがとう」「雪中送炭」などの感謝メッセージが多く投稿されています。
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雪中送炭意味: 華やかで楽しいときに、愛でる花を贈るより、雪に見舞われ苦しいときに、暖がとれる炭を送りなさい。それこそが真の友情です。
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悲観的な状況でも、人の真心が通じ合い、実を結ぶ機会にもなります。
株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光