社長の一言集

第161号「そのうち、そのうち、べんかいしながら日がくれる」

2019/12/27

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「そのうち、そのうち、べんかいしながら日がくれる」
                            2019年161号
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「そのうち
 そのうち
 べんかいしながら
 日がくれる」

これは、日本の有名な詩人で書家の相田みつをさんの詩です。

「そのうち」というのは誰もがつい口にする言葉ですが、日本は、大切な備えを「そのうち、そのうち」と言って先延ばししている間に、時代は平成から令和になってしまいました。

日経ビジネス 2019年10月14日号掲載
時事深層 目覚めるニッポン インタビュー
「ファーストリテイリング柳井正氏の怒り ーこのままでは日本は滅びるー」より抜粋
--------------------------------------------------------------------------

最悪ですから、日本は。

この30年間、世界は急速に成長しています。日本は世界の最先端の国から、もう中位の国になっています。ひょっとしたら、発展途上国になるんじゃ
ないかと僕は思うんですよ。

国民の所得は伸びず、企業もまだ製造業が優先でしょう。IoTとかAI(人工知能)、ロボティクスが重要だと言っていても、本格的に取り組む企業はほとんどありません。あるとしても、僕らみたいな老人が引っ張るような会社ばかりでしょう。

僕らはまだ創業者ですけど、サラリーマンがたらい回しで経営者を務める会社が多い。こんな状況で成長するわけがない。

 

起業家の多くも上場して引退するから、僕は「日本の起業家は引退興行」と言っています。

今、成長しているのは本当の起業家が経営している企業だけです。

結局、この30年間1つも成長せずに、稼げる人が1人もいない、稼げる企業が1社もない。いや、1社はあるかもしれないですけど、国の大きさからいったらあまりにも少ないし、輸出に依存していてグローバルカンパニーにはなっていない。
稼いでいる人がいなかったら家計は成り立たないでしょう。

30年間、負け続けているのにそのことに気付いていません。

・・・(中略)・・・

いわゆる「ゆでガエル現象」というものが全部でき上ってしまった。私はそんな日本についてあきれ果てているけれど、絶望はできない。この国がつぶれたら、企業も個人も将来性がないのですから。
だからこそ大改革する以外に道はないんですよ。


--------------------------------------------------------------------------------

「人は"人生の境地"を知るために、三つの場を通る。」という話を思い出します。
三つの場とは「正念場」・「修羅場」・「土壇場」です。
この三つの場を迎えた時に、それをどう受け止め、どう対応したかが、その人の人間としての本質だと言えます。

① 「正念場」は、「性根場」とも書き、自分の性根と深く向かい合って、答えを導き出す局面です。

② 「修羅場」の語源は、古代インドの仏教の神話で、阿修羅王(あしゅらおう)と帝釈天(たいしゃくてん)の争いの場面を、その壮絶さから「修羅場」と現したそうです。

③ 「土壇場」は、罪人の刑を執行するために、土を盛って築いた壇の場所を意味する言葉で、どうにもならない場面や最後の覚悟を迫られる局面とされています。

経営視点でこの三つの場を考えたときに、「正念場」と向かい合うときは、経営者は自分の性根ではなく、会社の経営理念と向き合わなければなりません。

「ゆでガエル」状態から抜け出すための未知なる未来へ向けた新規事業の取り組み、事業領域の再定義、統廃合等、大きな経営リスクを伴う究極の意思決定での場です。

経営理念が正に意思決定の最終的な拠り所となります。

「修羅場」と向かい合うときは、大義・戦略・戦術が必要です。
勝ち残るために、大将を誰にして、どこで、どのような武器を用い、どのような組織で、何のために戦うかを決めなければなりません。
この時、邪道の経営に陥るか、覇道の経営に突っ走るか、王道の経営で「世のため人のため」を本気で志すかで、経営の本質が現れます。

経営において、「正念場」と「修羅場」は、まだ判断・選択できる備えの段階です。
しかし「土壇場」は、「正念場」と「修羅場」に備えなかった時や、間違った判断をした時に迎える最後の状態です。
「正念場」と「修羅場」は、事業の成長が関わる機会の「場」でもありますが、「土壇場」は、事業の死につながる、迎えてはならない最後の「場」なのです。

私は、今の時代は、既に「土壇場」の時代ではないかと思います。

既に始まり出した、逃れられない悪い状況の中で、どのように復元するか、悪い変化をどう好機に変えるかを真剣に考えなければならない場に立っているという認識です。

「ほんとうのことがいちばんいい」相田みつを

ほんとうの社会、ほんとうの政治、ほんとうの経営、ほんとうの経済、ほんとうの幸せ...。

土壇場を好機にするためには、「感謝力」、「変化力」、「創造力」の備わった性根の良い人材が不可欠です。

                                 

株式会社リゾーム

代表取締役 中山博光