社長の一言集
第67号 心耳(しんじ)を澄ます
2011/12/28
---------------------------------------------------------------------- 心耳(しんじ)を澄ます 2011年67号 ---------------------------------------------------------------------- 大震災、放射能、欧州のユーロ危機、北朝鮮問題等々、今年は日本だけでなく、 国際社会全体が騒然とし、困難な一年であった気がします。 月刊誌『致知』の2002年9月号に、丹羽宇一郎氏(当時伊藤忠商事社長)の お言葉の中で「心耳(しんじ)を澄ます。」というメッセージがありました。 ------------------------------------------------------------------------- 【以下本文】 物事を経営者が判断する時に、私の場合は牛の胃のように、 何度も考えを反復、熟成をさせるんですね。 それは本当に正しいのか、会社のためになっているのか、と。 そういう大義のもとで、私欲を排除して熟成させる。 私欲を排除するというのは、まあ仏教みたいなものです。 修行というより、勤行という言葉がありますが、 私は「智の勤行(ごんぎょう)」って言ってるんです。 知識ではなくて智恵の智。智の勤行を経営者はやらないといけない。 一瞬すべてが静寂の中で、自分を忘れて、智の勤行という瞬間瞬間を持った ほうがいい。 毎日持つのは難しいかもしれませんが、そういう時間を持つということは 非常に大事です。 「心耳を澄ます」ということが、私が申し上げた神とか、もっと精神的な勤行、 修行につながるんじゃないでしょうか。 経営者は特に、そういう瞬間を持つことが大切だと思いますね。 ------------------------------------------------------------------------- 新しい年は、更に騒がしく激動と変化による不確定な年になりそうです。 更に、心耳を澄まして物事の本質をとらえる事が必要です。 その根底には「善き事を念い、善き事を行う。」という信念がなくては なりません。 善き事を念うとは、何事にも感謝する素直な心、後世のために未来を 信じる明るい心です。 善き事を行うとは、自分のためではなく世のため、人のために行動する事です。 私は、企業人として目指す成長は、この二つが大切ではないかと思います。 京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が説いた「利他の心を判断基準にする。」 「足るを知る」はこれからの生き方の大きな指針になるのではないでしょうか。 ────────────────────────────────────── 今年一年、本当にありがとうございました。 皆様からお寄せ頂いたメッセージ、お会いした時の励ましのお言葉に支えられ、 今年もメルマガを続けることが出来ました。心より感謝申し上げます。 来年も心新たに、身の丈に合わせ、地道に、群れず、奢らずの心得で、日々精進 していきたいと存じます。 追伸 年末になると、いつも読み返す実話を掲載した過去のメルマガがあります。 私も実母を9歳の時に亡くしましたので読みながらいつも涙してしまいます。 困難を縁として受け止め、それを活かす事を思い出させてくれるお話です。 お時間がございましたら、是非ご一読下さい。 「志が縁をつくり、感謝が縁を活かす」(RHIZOME PRESS〔Vol.026〕) http://www.rhizome-e.com/topics/hitokoto/hitokoto026.html 株式会社リゾーム 代表取締役 中山博光 +--------------------------------------------------------------+