社長の一言集

第64号 危機を乗り越える親切な会社づくり

2011/09/30
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危機を乗り越える親切な会社づくり
                                            2011年64号
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瀬戸内海に面したある街に創業60年の有名なラーメン屋さんがあります。
先月、久しぶりに食べたくなって福山の支店に寄ってみました。
20席の店内は私を含めて2人の客、厨房以外に店員はフロアーに3名という
閑散とした状態でとりあえずラーメンを注文。
しかし、いくら待っても水が出てこない。どうやらセルフサービスのようで
手持無沙汰の3人の店員は傍観したまま。
しかたなく自分で水を汲みに行きラーメンを待ちました。
以前はお客様が多かった店なので、「水はお客様で」というのがルールの
ようです。
暫くしてドン!と置かれたラーメンは、昔の面影はなく煮え切ったダシと
硬い麺。
注文した自分が情けなくなってしまい、半分以上残して店を後にしました。

対して、弊社東京事務所の近くの沖縄料理の店での出来事。
節電で少し汗ばむ店内でお昼の定食を注文して待っていると、涼しい風が...。
後ろから、年配の店員さんが一生懸命団扇で扇いでくれていました。
この店には、そんな事をするマニュアルやルールもないはず。
お客様に少しでも涼しく食べてもらおうと咄嗟に出た団扇サービスです。
その店には沖縄の民謡が流れ、地元沖縄の歌手のCDをレジの横で販売し、
沖縄から上京した人を優先的に採用し、故郷沖縄を大切にしています。
本物の沖縄があり、親しみやすさに溢れていました。
その日はいつものゴーヤ定食も心なしか格別に美味しく感じ、
一粒残らず完食しました。

人は親切が嬉しい。同じ食事をするのであれば、美味しくて、快適で、親切な
お店で食べたいと思うのは皆同じです。
お客様の立場になると当たり前の事が、サービスを提供する側になると出来ない
会社、決められたルールの中で自らが縛られ、仕事は時間を提供する事だと
考えている社員の多い会社は衰退していきます。
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「武士道」の著者として有名な新渡戸稲造氏の言葉

人生の危機は順境で起こる
1、順境にある者は、傲慢になりやすい
2、順境にある者は、怠けやすい
3、順境にある者は、恩を忘れやすい
4、順境に進み始めた者は、不平家になりやすい
5、順境に慣れた者は、調子に乗りやすい
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二つの飲食店の事例ですが、現場の親切さ加減の違いは決して社員さんの能力
や、性格ではなく、経営者のお客様に対しての姿勢、経営理念の現れではないか
と思います。

仕事を通して成長する人を重視し、
陰日向なくお客様に奉仕する人を尊び、
責任を果たし、理念的行動の出来る人材を育てる人に権限を与えることで
この未曽有の危機を乗り越えていかなければなりません。

追伸
マザーハウスの山口社長をお迎えして開催させて頂くリゾームセミナー
(10月19日開催)の残席数もわずかとなりました。
是非、早めのお申し込みをお願い申し上げます。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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