社長の一言集

第60号 憂いなければ、備えなし

2011/05/31
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 憂いなければ、備えなし
                                            2011年60号
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人生を成功させるための時間管理(自分の時間をどのように使うか)について、
物事を重要度と緊急度の二軸で、更に四つの領域に分けて考えようと「七つの
習慣」の筆者スティーブン・R・コヴィー氏は述べています。
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 大 |      |       |
    | 第二 | 第一  |
重要 |_______|_______|
    |       |       |
    | 第四 | 第三  |
  小 |_______|_______|
    低  緊急  高

四つの領域
第一の領域 重要であり、緊急な事
第二の領域 重要であるが、緊急でない事
第三の領域 重要でないが、緊急な事
第四の領域 重要でない、緊急でもない事 です。

通常私たちは、第一の領域を最優先で取り組みます。
大きなトラブル、締め切りに迫られた仕事、危機や災害等ですから、何を差し
置いてもトップから現場まで、全社を挙げて取り組まざるを得ません。
修羅場であったり土壇場の状況です。

スティーブン・R・コヴィー氏は最も大切な時間管理は、第二の領域「重要で
あるが、緊急でない事」にフォーカスして取り組むべきであると述べています。
これが、「備え(危機管理・未来創造)」の部分です。特に、経営のリーダー層が
意識して確保しなければならない時間配分の最も重要な領域です。
ここをしっかり取り組んでおく事により、第一の領域の比重(リスク)を格段に
削減することが出来ます。
最悪の状態を想定して、「どうしたらそれを回避できるのか?」
「もしその状態になったらどう対応しなければならないのか?」を想定し事前に
手を打っておく事です。
※もちろん未来に向けた成長戦略も大切です。
 どうしたらその変化・チャンスを活かせるかという未来づくりです。

「事後の百策より事前の一策」を今回の東日本大震災では痛感させられました。
天災、人災、国災という「複合連鎖災害」です。福島原発の補助電源が津波の
影響を受けないように建設時に施していたら、今の日本の厳しい状況(世界の
原発問題含め)は激変していたはずです。安全、安心より経済性・コストを優
先した結果です。
正に魔がさした判断です。
「備えあれば憂いなし」ではなく、「憂いなければ備えなし」の泥縄状態を
つくってしまいました。

私が訪れた仙台の海岸地区は見渡す限り瓦礫の平原で想像を絶する惨状でした。
震災の40日後でも、足がすくみ、心も凍りつく思いがしました。
憂いを忘れた奢りの経営が招いた結果といえます。

その一方で、震災のその日、激震と津波が町を飲み込む真っ只中で、自分自身が
置かれたその場所、学校、家庭、職場等で自らの命の危険を顧みず、人のために
尽くされた多くの方がいらっしゃった事も決して忘れてはいけない日本人としての
誇りだと思います。

「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉があります。

月刊誌『致知』より
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山本のぶさんという盲目のマッサージ師がいた。
私とは戦争前からのつき合いがあった。
私の寺から500メートルほど離れた所に住んでいたが、
空襲で家を焼かれて、寺へ避難してきた。
手に持っていたのは、過去帳と杖、茶碗だけである。
当時、寺には30人ほどの罹災者がいたが、警報が鳴ると、
みんないっせいに逃げ出して、寺を守る者もいなくなった。
その中で、山本さんだけは本堂に残ってお経を読んでいた。
戦争が終わってからも、私は山本さんを呼んで、
マッサージをしてもらっていたが、
彼女が家の前の路地に電灯をつけたという話を聞いた。
家といっても、もちろんバラックである。
当時は金だけですまず、米かあるいは何がしかのプラスアルファを
つけないと、電灯工事などしてくれなかった。
ずいぶんなムリをしたんだな思い、さらに訊いてみると、
電灯がついたのは家の前だけで、家の中にはついていないのだという。
あと1メートルも延ばせば、家の中も明るくなるというのに。
私は思わず「なんてバカなことをしたんだ」と言ってしまった。
しかし、彼女の答えを聞いて、
バカなのは自分であったと悟らされたのである。
彼女は盲目である。
したがって、家の中に電灯は必要ないわけだ。
どこだって必要がない。杖が1本あれば足りる。
しかし、彼女の家の前の路地は、バス通りへの近道になっていて、
大勢の人が通るという。
雨が降ると、ぬかるみになってみんなが難儀をするのである。
電灯が1つでもあれば、それが少しは救いになるだろう、と彼女は考えた。
自分にはまったく必要ない。
しかし、他人に必要なことだから、実行したのであった。
この話を聞いた時、私はいきなり
心臓を突かれたような思いがしたものである。
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目に見えるもの、計算できるものからの発想ではなく、目に見えないもの、
計算できないものの大切さに目覚める事により、「新生」が始まります。

今後、自分たちは未来に向けて何に備えるか?
それが、人としての生きざまであり、会社としての存在価値の表れなのかも
しれません。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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