社長の一言集

第54号 石橋から落ちたら泳いで渡れ

2010/11/29
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 石橋から落ちたら泳いで渡れ
                                            2010年54号
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平成3年に?リゾームという会社を立ち上げる前に、私は個人コンサルタントの
かたわら、セミナーの講師をしていた時期がありました。一番多い年で年間100
本、1日2回講演をする日もありました。1回の講師料が3万円で年中無休、移動
はほとんど車で、一年間の移動距離が10万Kmというハードワークと困窮の時期を
過ごした事を覚えています。

講演内容は、「経営の成功法則について」というタイトルだったと思います。
困窮状態で、経営者でもない人間がこのような講演をして回っていたのですから、
今から思えばずいぶん無茶で、滑稽な話です。

しかし、その時の講演の中で一つだけ今でも好きな言葉があります。
「石橋から落ちたら泳いで渡れ」という私の造語です。
「石橋を叩いて渡れ」という諺を違う視点で考えた言葉です。

人も、会社も様々な考え方、生き方のパターンがあります。
■何の確認も、考えもせずにいきなり石橋を渡る人や会社
■石橋をキチンと確認して、安全を確かめた後に渡る人や会社
■石橋を叩いて安全を確認しても、最終的には渡らない人や会社
■いつまでも石橋を叩き続ける人や会社
■石橋を叩き過ぎて壊してしまう人や会社
■石橋を他人が渡っているのを確認してから自分も渡ろうと考える人や会社
■石橋を叩いている人を、批判したり傍観する人や会社
■石橋に近づかず、いつまでも現状に留まりたいと願っている人や会社
■石橋の存在すら知らない人や会社

お客様の大きな要望、ニーズ、課題らしきものがそこにある。世の中の誰も
それらに対して、今は積極的に対応しようとはしていない。その要望・ニーズ、
課題に対応する商品・サービスは、今まで自分たちが経験したり、つくったこ
とがない。採算に乗るという保証もない。それを実現するためには、今までの
実績を捨てなければならない。上手くいかなかったら大きく損をする。
今、無理に対応しなくてもなんとかやっていける。

さて、どうしますか?
あなたはどのパターンでしょう?

確かにその石橋を選んだ事は途中で失敗する可能性もあります。しかし、自分
たちの役割が明確で、向こう岸(目的)へ渡る方法が、その石橋しかないという
前提であれば、渡るという決断をトップが行う。もし、壊れて落ちたら泳いで
渡る準備をしておく。使命感を持って渡り切るという信念を全員が持つ。この
考え方が「石橋から落ちたら泳いで渡れ」です。

 ※私も過去何回か石橋を渡りました。
  その内、5回は落ちてしまいました。泳いで渡り切った事はその内の3回。
  しかし、そのお陰でいいご縁に巡り会い、少し知恵もつきました。落ちる事
    はマイナスばかりではありません。なにもせずに留まる事が最悪なのです。
  渡らないための最もらしい評価や、失敗した批判は誰でも出来ます。

実は、人も会社も望むと望まざるとに関わらず、必ずいくつかの橋を渡らなけれ
ばなりません。課題は、「自分自身が責任者として未来を信じて、どのような
渡り方をするか。」ということです。

アルビン・トフラー氏 ("第三の波"作者)の『生き残れる人や会社の条件』
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(1)失敗大好きな人間は生き残れる
   大切なのは、失敗から何を学ぶか。
(2)言うことより行動することが早い人が生き残る
   全てを解決するのは行動のみである。感性のない人は動けない。
(3)「あいまい」な人が、生き残る
  「べき」論で生きたら後向きになる。心に遊びがなければならない。
(4)「高笑い」できる人間は生き残る
     笑わせる人が生き残る。笑顔で生きる。
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今のような時代だからこそ、経営は変化に挑戦し、自らを成長させるチャンスです。
そして、時代の流れを受け止めて、自らが独自の橋を創りだす事が
求められています。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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