社長の一言集

第53号 三つの機

2010/10/27
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 三つの機
                                            2010年53号
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板橋興宗(御誕生寺住職)氏  月刊『致知』2010年1月号より〜
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長年、黙々と禅の修行に打ち込み、曹洞宗の管長を務められた板橋氏の言葉です。
「人生に対する燃え方によって、どの縁と結びつくかが変わってくる」

又、板橋氏は表現を変えて次のようにおっしゃっています。
「ただ給料をもらって暮らしていればいいという程度の人は、
                          たくさんの縁をもらっても消化しきれません。」

反対に自分が求めるものに一途になっていると、『縁がほしい』『運がほしい』
などと言わなくても自然にそういうものに触れ合います。

私たちの仕事や日常生活において、小さな事でも何かに夢中に打ち込んでいると、
必要な環境が自然と整えられて自分でも驚くことがあります。

ましてや高い志を掲げ、純粋に何かに燃えている人は、より素晴らしい縁を引き
寄せ、幸せな人生を送れるものなのかもしれません。

私たちは無数の縁に支えられて、今、この時を生きています。
目の前の縁をどう活かすかは私たちの心がけ次第です。ともすれば、欲得に目が
眩んで自分に都合の良い縁だけを選び取ろうとしてしまいます。しかし、それで
は、縁を生かすことにはなりません。
まずは小我を離れ、一途に打ち込める対象を持つという生き方の原点を忘れない
で生きたいものだと思います。

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私たちは日々の生活や仕事で、さまざまな縁に巡り会っています。
又、「縁」は「機会」と言い換えてもいいかもしれません。そして、その機会は
「危機」・「転機」・「好機」と、三つのタイプがあります。しかし、その時に
どの機と判断するか?、その機を活かすか、逸するかは自らの考え方です。
危機は悪い事でしょうか? 好機は良い事でしょうか?
瞬間的には、大変だ!と思った事が長期的には良かったり、チャンスだと喜んだ
事が多面的に観てみると危険だったりする事があります。

経営者の心構えとして、「順境悲観」・「逆境楽観」と言われますが、実は転機
が一番難しい機なのかもしれません。
確固たる信念と、正しい情報がないと経営に迷いが生じるからです。
危機感の欠如、混迷、硬直化する組織の結末は悲惨です。
そのような組織は、外部より内部の事に気を取られ、未来よりも今の事(目先)に
目が奪われ、リスクより安定を優先します。あの企業が?という大きくて歴史
のある会社が今まで多く倒産してきましたが、要因は外部ではなく内部にあった
事例が多いような気がします。

同じ縁を迎えても、未来に大きな差が出るのは、「ビジョンがあるか」、「組織
に規律があるか」、「経営理念を大事にしているか」、「本業を貫いているか」、
ではないでしょうか。

危機が破局にならないように「妥協との戦い」が必要です。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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