社長の一言集
第52号 人生も経営も矛盾に満ちている
2010/09/27
---------------------------------------------------------------------- 人生も経営も矛盾に満ちている 2010年52号 ---------------------------------------------------------------------- 『韓非子』の一篇に、矛と盾を売っていた武具屋が、「この矛はどんなに硬い盾 をも突き通すことができ、この盾はどんな矛でも突き通すことができない」と 誇って販売していた。その時ある客から「それではお前の矛でお前の盾を突けば どうなるか?」と尋ねられて答えることができなかった。矛盾とはそんな故事から できた言葉だそうです。 しかし、この矛盾は昔の話ではなく、私たちの日常でも日々起こっています。 日本も世界(特に中国)、国内共に矛盾に満ちた難しい課題を突き付けられている のが実情です。 目まぐるしく変化する外部環境、競合環境の変化に対して、企業は課題を乗り越え 常に舵を切り続けなければなりません。 そのためには、矛盾も、変化も当たり前。 だから課題は常に生まれ続けるという現実を受け入れることが組織には必要です。 「課題を発見し、課題を共有し、課題に挑む」それが実践出来る組織が偉業を成 し遂げます。皆が課題を前向きに共有し、批評家を卒業した時に、矛盾を超える 何かが生まれるのではないでしょうか。 スティーブジョブス(Apple CEO)のスタンフォードでの卒業祝賀スピーチの締め くくりは感動的なメッセージとしてネットで広がりました。 Stay hungry, stay foolish. (ハングリーであれ、愚かであれ) 常に挑戦する。矛盾やたてまえに翻弄される常識を、はみ出してしまうような器の 大きなバカになれというメッセージです。 矛と盾を売っていた武具屋は、その質問をした客の言葉に詰まらずに、 「だから、両方あなたが持てば最高の戦いが出来ますよ」と、すかさず話を切り替え セット販売を勧めるべきだったのかもしれません。その客である戦士の最終目的は、 矛盾の答えではなく誰にも負けない武器を得る事なのです。そして武具屋は、次から 矛盾のある販売トークは変えるという学びを活かす事です。 ダライ・ラマ氏(チベット仏教最高指導者)は、このような言葉を残されています。 ---------------------------------------------------------------------------- 個人でも集団でも、敵と思えるような相手に出会ったら、それを忍耐や寛容を与える 修行だと考える。 そのように考えると、敵(中国)は私たちの師であり、先生だといえる。 ---------------------------------------------------------------------------- 矛盾に満ちた現在の中国との外交の参考に是非してほしいものです。 株式会社リゾーム 代表取締役 中山博光 +--------------------------------------------------------------+