社長の一言集
第48号 「変化は当たり前」の時代に
2010/05/27
---------------------------------------------------------------------- 「変化は当たり前」の時代に 2010年48号 ---------------------------------------------------------------------- 大手メーカーのレナウンさんに中国の山東如意の第三者割当増資のニュースが 報じられました。皆さん御存じのようにレナウンさんは昭和40年〜50年代の ファッションを牽引し、一世を風靡したビッグカンパニーです。 社長の北畑稔氏のニュースでのコメントは「変化出来なかった。」という言葉が とても印象的でした。 創業は明治35年で、大正12年にイギリスの皇太子エドワードが来日した際の 艦船レナウンにあやかり、「レナウン」を商標に登録し、 グループ内の「ダーバン」は、レナウンに同行していた巡洋艦ダーバンの名を とって命名されたそうです。 最近、某百貨店様とそのお取引先のアパレルメーカー様複数社と弊社の三者で 定期的にCRM研究会を開催しています。 今後の百貨店様の業績向上に百貨店メーカー様との共存共栄は欠かせません。 そのための取り組みとして、顧客情報(非個人情報化)を一緒に分析して一緒に 戦略づくりを行っています。 立場・経験が違えば、分析の視点も様々で、いい勉強にもなり面白いですね。 そこで一つ驚いた事は、アパレルメーカー様があまりにも自分達の商品を 購入されているお客様の実態をご存じないという事です。 ブランドターゲットが30代前半なのに、実際の購入年齢層が50代と、 大きなギャップがあるブランドもあります。 顧客情報は百貨店様がカードデータで入手しても、 メーカー様へのフィードバックはほとんどされていません。 お客様が見えない中で、ブランドは増やしてもお客様にマッチしないという悪循環の 繰り返し状態で、年に一回しか購入しないお客様の割合が90%、更にリピート率が 僅か5%というブランドもありました。まるで平場の商品です。 百貨店メーカー様のお客様は百貨店様で、 そこで関係が出来てしまえば売り場は確保され、売り上げが落ちても その場所に残れるという「茹で蛙」状態だったのかもしれません。 ※百貨店メーカー様=百貨店に出店しているメーカー様 昭和20年代、レナウン(当時佐々木商店)には、VANの石津謙介氏が営業部長として 紳士服を担当し、婦人服は田中千代(現東京田中千代服飾専門学枚校長)という逸材が 溢れていました。 情熱があり、お客様の心が見えていた時代がありました。 ---------------------------------------------------------------------------- 鹿島茂著「この人からはじまる-VANの時代-」(新潮社)より 戦後の混乱を抜け出し、大きく変わろうとしていた。 なかでも、戦後の民主教育で育った若者たちが社会の大きな構成要因になり、 自己主張を始めていた。 だが彼らには 、自分たちの存在をアピールすべき服がなかった。 中・高等教育の拡大で、学生服はもはやプレステージのしるしではなくなっていた。 石津は、レナウンの社長の尾上清から常々 「お前、いつまでも仕立て屋のおやじじゃ駄目だぞ。 レナウンは女ものをやるから、これからは男ものをやれ」と言われていたので、 若者向けの服には、どんなコンセプトがいいかを考えてみた。 結論は、彼らが憧れているのは進駐軍のGIファッション、ひろくいえば、豊かな国 アメリカのファッションであるということだった。 ---------------------------------------------------------------------------- レナウンの筆頭株主になる中国の山東如意のトップ邱亜夫(チウヤーフ)氏は、 17歳で工場勤務からスタートし現在は52歳、繊維業界で中国大手の創業オーナーです。 勤勉で、情熱と志のある経営者の次の時代にむけた挑戦が始まっています。 変化は当たり前。 その変化の時代に、取り残されるか その変化の時代に、適応し生き残るか その変化の時代に、更に新たな変化を創り出し革新成長するか その会社の真価が問われています。 株式会社リゾーム 代表取締役 中山博光 +--------------------------------------------------------------+