社長の一言集

第47号 革新的経営

2010/04/27
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革新的経営
                                         2010年47号
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随分以前になりますが、日本経済新聞で200年企業を取り上げた興味深い
記事がありました。
1724年創業、286年を迎える茨城県水戸市の伊勢甚さんです。
初代甚介氏が呉服商から身を起こし、戦後はスーパー、百貨店と事業を拡大し
600億円に達した時期もありました。
しかし、77年に当時社長の綿引敬之輔氏が大黒柱の小売業を一括して
ジャスコ(現在のイオン)に営業譲渡し、全店舗を賃貸してしまいました。
売り上げも伸びており、しっかり利益の出ていた事業ですから社内外から
大きな反発もあったようです。
当時、三越を抜いて全国一の売り上げになった、新興ダイエーの全国展開や
イトーヨーカ堂の勢いを見て、敬之輔氏は将来地場の流通業はやっていけなくなると
確信し、企業が元気なうちに従業員の雇用の受け皿を探し、
確実な店舗の賃貸収入に経営を切り替えたのです。
現在は、賃貸業以外に茨城県最大の水戸プラザホテルや、多くの結婚式場、SC、
デベロッパーと事業の変化に合わせた事業改革を進めています。
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株式会社 伊勢甚本社
代表取締役社長 綿引甚介氏のメッセージ(HP抜粋)

少子高齢化、核家族化、NET社会が進行する現代社会において、創業精神である
「人の和=輪」が満たされる社会であり続けるよう、
今後もコミュニティ空間の創造、追求を図ると共に、新規事業開発を含め、
地域社会に貢献できる態勢作りに日々邁進して参ります。
平成21年度は創業285年を迎え、5月4日には会社設立60周年を迎えました。
これからも伊勢甚グループは、お客様一人ひとりの「ウォンツ」に応え、期待以上の
「価値」を創造・提供し続けると言う経営姿勢のもと、常にお客様の声に耳を傾けた
ダイナミックな変革(イノベーション)に挑戦して参ります。
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時代の変化という波を見極め、お客様のニーズ・ウォンツの解決のために、
使命をもって変革に挑戦し、ビジョン経営に取り組むという経営の神髄が
貫かれています。

少子高齢化、消費不況、デフレ等は全ての企業にとって同じ環境です。
しかし、その環境変化への企業の対応は実に様々です。

なんとかなるさと、無反応な対応をする企業
仕方ないなと、受け身な対応をする企業
なんとかしなきゃと、保守的な対応をする企業
他所に負けられないと、先進的な対応をする企業
面白い、チャンスと、革新的な対応をする企業

おそらく、15年後に残っている企業は先進的、革新的企業だと思います。
そして、30年後に残っている企業は革新的企業だけではないでしょうか。

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木野親之先生の「松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日」より

<人の壁は、誰にでも訪れる>
人の壁は、誰にでも訪れるものです。
壁に苦しみ、悩み、傷つき、苦闘し格闘する中で、人は人格を高めていくのです。
幸之助はそうやって道を開いていったのです。
「君、人生の壁は天が与えてくれるまたとない試練やで」とよく言われました。
自分に与えられた天命を自覚し、「このことは、後になって必ず役に立つ」と、
決意すれば、道は自然と開けるのです。
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この文章の人を会社、人格をビジョンに置き換えてみると
より深い意味を感じ取れます。
会社のビジョンは未来からやってきます。
過去、現在からの延長線上ではつくれません。
ビジョンがあるから悩みます。
ビジョンのない経営は迷います。

経営も、政治も同じですね。

                                                株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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