社長の一言集

第43号 三つの坂

2009/12/18
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 三つの坂
                                            2009年43号
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禍福は 糾える(あざなえる)縄のごとし。 史記(南越伝賛)

人生には災いと福があるが、実はより合わせた縄のように表裏一体であり
入れ替わり変転するという伝えです。
しかし、経営はそうはいきません。
目の前のピンチや困難を乗り越える事が出来ないと、
倒産し明日の福は巡ってきません。

今、日本の多くの企業は三つの坂のうちの、二つの坂を迎えています。
皆さんご存じのように、三つの坂とは、
上り坂、下り坂、そして真坂(まさか)です。
人口減少、売上減少という下り坂に、景気低迷、金融不安、政権交代という
真坂の二つの坂を迎えているのです。
社会現象の中でも、人口減少、一部の企業の売上減少、ドバイショックは
予期できることではなかったかと思います。
しかし、トヨタの赤字、ユニクロの5兆円構想、政権交代は正直、
私の中では真坂の出来事でした。
世の中は、私達が予測しているよりももっと早いスピードと規模で劇的に
変わり始めているようです。

世界がどのような状況にあり、
どのような状況が迫っているかを見て伝えてくれる
『物見の役』がドラッカー博士でした。
混迷の時代こそ、経営者には「物見の視点」が必要ではないかと思います。
主観的ではなく、客観的に世の様を感じ取る事が求められます。
変化を素直に受け入れ、未来を予測し、自分たちの方向を示す力が必要です。
そして、自分達の強みを確信して磨き上げ、貫く決意が必要です。

三つの坂で終わったら面白くないので、色々坂を考えてみましたが、
いい坂が見つかりませんでした。
やっと見つけた坂が「桜坂」。
2000年を代表する福山雅治さんのヒット曲となった「桜坂」です。
来年のNHKの大河ドラマは、福山雅治さん主演の「竜馬伝」です。
坂本竜馬という選択は、今の時代だからこそ面白いと思います。

「日本を今一度、洗濯いたし申し候」と竜馬は姉への手紙に綴っています。

年末の大掃除、新しい年へ向けて過去の成功事例、固定概念、マイナス志向は
全て捨て去りましょう。
捨て切った中に最後に何が残っているのか?

私は、創業の精神と、経営理念ではないかと思います。
一人ひとりのお客様の笑顔、従業員さんの笑顔。家族の笑顔。
「それが一番幸せ」ということが心から感じられた時代です。


今年一年、ご愛読感謝申し上げます。
色々励ましのメッセージを頂いたり、お言葉を頂きまして心よりお礼申し上げます。
どうか、みなさん良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い申し上げます。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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