社長の一言集

第41号 感じ、疑い、考える。

2009/10/28
----------------------------------------------------------------------
 感じ、疑い、考える。
                                            2009年41号
----------------------------------------------------------------------
最近、いろいろなサイトで取り上げられている詩があります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『ある95歳老人の詩』

 「もう一度人生をやり直せるなら・・・・
 今度はもっと間違いをおかそう。

 もっと寛(くつろ)ぎ、もっと肩の力を抜こう。
 絶対にこんなに完璧な人間ではなく、
 もっと、もっと、愚かな人間になろう。

 この世には、実際、それほど真剣に思い煩うことなど殆ど無いのだ。

 もっと馬鹿になろう、もっと騒ごう、もっと不衛生に生きよう。
 もっとたくさんのチャンスをつかみ、行ったことのない場所にも
 もっともっとたくさん行こう。
 もっと本当の厄介ごとを抱え込み、頭の中だけで想像する
 厄介ごとは出来る限り減らそう。

 もう一度最初から人生をやり直せるなら、

 春はもっと早くから裸足になり、
 秋はもっと遅くまで裸足でいよう。

 もっとたくさん冒険をし、
 もっとたくさんのメリーゴーランドに乗り、
 もっとたくさんの夕日を見て、
 もっとたくさんの子供たちと真剣に遊ぼう。

 もう一度人生をやり直せるなら・・・・

 だが、見ての通り、私はもうやり直しがきかない。

 私たちは人生をあまりに厳格に考えすぎていないか?
 自分に規制をひき、他人の目を気にして、

 起こりもしない未来を思い煩ってはクヨクヨ悩んだり、

 構えたり、落ち込んだり ・・・・

 もっとリラックスしよう、
 もっとシンプルに生きよう
 たまには馬鹿になったり、無鉄砲な事をして、

 人生に潤いや活気、情熱や楽しさを取り戻そう。

 人生は完璧にはいかない、
 だからこそ、生きがいがある。

 これは、現代経営学の父と言われる
 『ピーター・ドラッカー』1909年-2005年、
 95歳の言葉です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
という内容です。

私は、この詩を読んだ瞬間、あの経営の巨人でも
このような矛盾を抱え生きていたのかと、安堵と寂しさを感じました。
しかし、事実はまったくの間違いで、本当の作者はナディーン・ステアという
女性でした。
あるブログの発信者の勘違いで、ドラッカー氏の詩として多くの人に送信され
又、その人たちが多くの人たちに送信・転送し、
虚偽の情報が一気に拡がったのです。
そして、いつの間にかそれが真実として人々の心に浸透していったのです。
(※ある95歳老人の詩で一度検索してみて下さい。)

情報化社会は、インターネットを介して簡単にあらゆる情報を取得する事が
可能となりました。正に知識の氾濫の時代です。
しかし、知識はいくらあってもそれを判断する見識が必要です。
見識を持って知識を活用しないと、とんでもない間違いを犯すことに
なりかねません。
景気の問題、少子高齢化の問題、業績不振、新インフルエンザ等のさまざまな情報は
本当に正しいのでしょうか?
ある視点で解釈すると、確かに正しくて危機的状況に映ることもあれば、
もう一つ別の視点で解釈すると、
新しい時代の始まりの大きなチャンスに映る事もあります。
業績の悪い大企業もあれば、業績を伸ばしている地方の中小企業も沢山あります。

景気が悪い、先行きが不透明、高齢化が進んでいる、人が育っていない。
だから■■■■だ。
■にあなたはどんな言葉を入れますか?

もうだめだ
たいへんだ
チャンスだ
現状維持だ

色々な考え方があります。
複数の視点で、知識を判断する能力が経営には必要です。
※いい意味での疑いを持って。
しかし、最終的にその見識を支える軸が、経営理念であり、志です。
見識の差は、経験だけではなく、経営理念と、志の差が大きいと思います。

更に、その判断に基づいて成果を出すためには、行動することが必要です。
先の見えない未来に向けて大きく舵を切るためには、
肝っ玉というものが必要となります。
これが胆識です。
いい判断ができても、それを確実に成功に結び付けるために「考える」、
更に「考える」事が必要です。
そして、みんなの知恵が必要です。

経営は、知識、見識、胆識の、この三つの「識」と、「衆知」を持って
マネジメントを貫くことです。

来期の経営計画策定のご参考になれば幸いです。

                        株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

+--------------------------------------------------------------+