社長の一言集

第240号「全力は三つの力」

2026/06/29

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「全力は三つの力」

                2026年240号
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新たな時代のうねりの海に浮かぶ小船は
明日を模索する多くの企業の姿に見えます。
日々刻々と変化する大海原で、経営者の舵取りひとつで
一瞬に生死を分けるのが企業経営だと言えます。
今の業績は、その会社の本当の実力なのか、市場のニーズに
本当に適応しているのか。
どれだけの経営者が確信を持って舵取りをしていると
答えることが出来るでしょう。
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この文章は、2006年6月、社長の一言の第1号の始まりの文章です。
おかげさまで、今回で社長の一言は、240号を迎えさせていただきました。
心より感謝申し上げます。

冒頭の、新たな時代の「うねり」とは、遠く離れた海域で発生した波が、風のない場所や海岸にまで伝わってくる現象を指します。
当時10名程度だった弊社も、おかげさまで100名を超える小型船へと育てていただきました。
しかし、舵取りの難しさは少しも変わっていません。
むしろ20年前には想像もできなかったグローバルな外部環境の影響、そしてAI技術等の劇的な革新が、これまで以上の荒波となって押し寄せています。

これから経営者はその荒波に「全力」で立ち向かわなければなりません。
真の全力とは何か?私は、真の全力というのは、三つの力だと思っています。

一つ目は、自力です。
まずは、自分で精一杯努力することです。もちろん継続も大切です。

二つ目は、他力です。
一人でできることには限界があります。自分以外の人たちの支援をいただくことです。そのためには、日頃の信頼が大切です。

三つ目は、天力です。
最後は、天の力です。思いがけない、閃(ひらめ)きやご縁などのお恵みです。
その目的に大義がないと、天力はいただけません。

経営で、この三つの力を本当に発揮するためには、錦の御旗が必要です。
それが、経営理念です。

会社は、何のために存在するのか?
会社は、誰のためにあるのか?
どこを目指しているのか?

素晴らしい会社の経営理念には、必ず「世のため、人のため」の念いが込められています。
そして、確実に実践されています。

20年間のメルマガ執筆を通じて、さまざまな出来事や経営者の皆様の名言に触れ、無学な私も多くの「気づき」と「学び」を得ることができました。
稚拙な文章に毎号お付き合いいただいた皆様には、心より感謝申し上げます。

過去のメルマガを読み返すと、今なお心に深く染みる号があります。
特に世阿弥翁が残された言葉は、何度読み返しても、新たな発見があります。
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「初心忘るべからず」

                       2011年62号

人生や、経営で、悩んだり戸惑ったりした時に、それを明快に諭す言葉が欲しい時があります。

室町初期、能を大成した世阿弥が、晩年60歳を過ぎた頃に書いた「花鏡」に「当流に、万能一得の一句あり。初心忘る可からず」と述べています。
※普段何気なく使われる「初心忘るべからず」は、世阿弥が残した言葉です。

世阿弥にとっての「初心」とは、自分が今まで経験したことのない困難や、試練に直面した時の心の持ち方や、克服した時に会得した考え方・物事の解釈を意味しています。

花鏡では更に「三つの初心」が続きます。

是非の初心忘るべからず
時々の初心忘るべからず
老後の初心忘るべからず

「是非の初心忘るべからず」
若い時の失敗や、未経験による苦労によって身につけた芸(経験)は決して忘れてはならない。それが、後々の成功の糧(基)になる。

「時々の初心忘るべからず」
歳と経験を重ねていく過程で会得した芸を、「時々の初心」という。
青年期、壮年期、老齢期に至るまで、その時々に合った演じ方を常に初心の心で身につけ成長していくことが大切である。

「老後の初心忘るべからず」
老齢期には老齢期でなければ分からない試練や葛藤がある。その芸風を新たに身につけることが「老後の初心」である。歳をとったから、経験があるから完成されたということではなく、老齢期を迎えてこそ分かる事や初めて習う事があり、乗り越えなければならない芸の境地である。

このように、「初心忘るべからず」とは、単に新人向けの戒めの言葉ではなく、人生そのものを貫く世阿弥の人生の万能のメッセージです。
経験のない未知なる事に対して、過去の成功体験を脱ぎ捨て、新たな心で挑戦し、取り組んでいく事が大切であり、更に失敗から学び取る強さを持つ事が必要です。
その姿勢を継続し、貫くことにより「風を掴み花を咲かせる」事が出来るのです。
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​​​​​20年という長きにわたり社長の一言をお読みいただき、温かいご支援とご厚情を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
皆様のお支えがあってこそ、今日まで歩みを重ねることができました。
改めて深く感謝申し上げます。

時代はますます激しく変化しておりますが、どのような荒波の中にあっても、経営の根幹にあるべきものは変わりません。
自らの努力を尽くし、皆様のお力をいただき、天の恵みに感謝しながら、世のため、人のために歩み続けること。
その姿勢を忘れず、初心を胸に、これからも誠実に舵取りを進めてまいりたいと存じます。

今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光