社長の一言集
第236号「経営の神髄は、「課題解決」ではなく、「夢への挑戦」。」
2026/02/27
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「経営の神髄は、「課題解決」ではなく、「夢への挑戦」。」
2026年236号
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「経営とは、汲(く)んでも尽きない目標と課題の井戸のようである。」 という言葉は、株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏のお言葉です。 株式会社ファーストリテイリングは、2025年の総売上が約3.4兆円、国内売上は約1兆円という、まさに日本を代表する世界企業です。 矢野経済研究所の2025年の調査によると、国内アパレルメーカーや小売業などのアパレル産業の総売り上げが約8.5兆円ですから、同社の市場に占める影響力の大きさと、 今なお現役で活躍されている柳井氏の手腕に感嘆するばかりです。 今年1月、公認会計士の安本隆晴先生のお話をお聞きする勉強会がありました。 1990年から、株式会社ファーストリテイリングの経営全般の指導をされ、現在も同社の社外監査役をされています。 勉強会に先立ち、柳井氏の著書「一勝九敗」を読んで参加という事で、初めて拝読いたしました。 20年以上も昔に刊行された書籍ですが、今の時代にこそ価値のある内容であると再認識させて頂きました。 柳井正 著 『一勝九敗』(2003年11月 新潮社 刊)より
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ぼくの小さな時のあだ名は「山川」だった。他人が「山」と言えば、自分は「川」と言う。
どこか天邪鬼(あまのじゃく)なところがあった。ぼくは他人に逆らうつもりはないものの、真面目なわりに何に対しても斜に構える独りよがり、と見られていたかもしれない。
当時、父親譲りの負けず嫌いがベースにあったとはいえ、僕自身は何でも、自分で分析し、自分の頭で考えたことを言っていたにすぎない。
ぼくは、わがままで欠点の多い人間だとは思うが、「自分自身を客観的に分析・評価できる」という長所を持っている。
以前、当社の役員と部長全員で360度評価というものをやってみた。自分自身の能力について、自己評価したものと周囲の人たちに評価してもらったものを比較する。
ぼくの結果は、両者が「ほとんど同じ」だった。ぼく以外の人たちは、自己評価と他社評価がそうとう乖離(かいり)していた。
ぼくは自信過剰になることもないかわりに、卑下することもない性格のようだ。ぼくが従来の経営者タイプと違うように見られるとすれば、この点が大きいかもしれない。
別に自慢したくて述べたわけではない。この「自分自身を客観的に分析・評価できる」ことは本来、経営者に必要な資質なのではないか、と思うからだ。
何度も言うが、当社は今まで、失敗を繰り返しながら成長してきた。考えて実行して、失敗したら引き返し、また挑戦する。
失敗を失敗と認めるのは、自分の行動結果を客観的に分析・評価することができないと難しい。失敗を失敗と認めずにいると、だらだら続けて傷口が広がってしまう。無駄なことだ。
世間一般には、僕は成功者と見られているようだが、自分では違うと思っている。本書でも触れたように、実は「一勝九敗」の人生なのだ。勝率でいうと一割しかない。
プロ野球のピッチャーではすぐに首になるか二軍落ちは確実だ。もし、これでも成功と呼べるのなら、失敗を恐れず挑戦してきたから今の自分があるのだろう。
野球でも盗塁の成功率が高いチームは、盗塁をねらって走る回数が非常に多い。刺されることを考えていては走れない。走れば走るほど盗塁成功率が上がってくる。経営にも同じことが言えよう。
今後とも、「店は客のためにあり、店員とともに栄える」という、当たり前でぼくの一番好きな言葉を実践するために、経営チームおよび社員全員で一緒になって挑戦しつづけたいと考えている。
(中略)
起業家十戒
1. ハードワーク、一日二十四時間仕事に集中する。
2. 唯一絶対の評価者は、市場と顧客である。
3. 長期ビジョン、計画、夢、理想を失わない。
4. 現実を知る。その上で理想と目標を失わない。
5. 自分の未来は、自分で切り開く。他人ではなく自分で自分の運命をコントロールする。
6. 時代や社会の変化に積極的に対応する。
7. 日常業務を重要視する。
8. 自分の商売に、誰よりも高い目標と基準を持つ。
9. 社員とのパートナーシップとチームワーク精神を持つ。
10. つぶれない会社にする。一勝九敗でよいが、再起不能の失敗をしない。
キャッシュが尽きればすべてが終わり。
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安本隆晴先生の勉強会でのお話によると、1990年代当時はスタートアップやベンチャー投資という資金調達の道もなく、柳井代表も金融機関とのお付き合いにもずいぶんご苦労があったようです。
特に人材については、ユニクロを始めた当時は社員の採用にもいろいろとご苦労されながら、経営を切り盛りされていたというお話もお聞きしました。
そうした中で、「教育とは、普通の人を教え、育むことで、会社の人財にすることである」、「そこで一番必要なことは、上司が学び育つことである」、
「チームワークで企業価値を高める」、「経営とは教育である」、更に「成功は一日で捨て去れ」、「安定こそリスクだ」、「高い目標を定めないとイノベーションは起きない」、
「独立自尊」等、多くの学びと気づきを得ました。
どんな時代においても、経営の神髄は、「課題解決」ではなく、「夢への挑戦」だったのですね。
「課題解決」だと、最終的にはライバルと同質化しますが、「夢への挑戦」はオンリーワンのブルーオーシャンでの「感動の経営が出来る」という貴重な気づきをいただきました。
株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光