社長の一言集

第218号「どんなに時代が進もうが、後退しようが、自分の信じた道を行くっていうのが、一番のような気がするね。」

2024/08/29

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「どんなに時代が進もうが、後退しようが、
自分の信じた道を行くっていうのが、一番のような気がするね。」

                2024年218号
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暑い日が続きます。
パリ・オリンピックは開催直前に鉄道テロがありましたが、なんとか無事に開催できた事に感謝です。
日本勢の大活躍で眠れない夜が続きました。

今月は、経済では株と円の乱高下、日向灘を震源とする地震、岸田総理の未出馬発言等色々な「まさか」が多発しました。
長時間続く危険な台風10号も心配です。

お盆に読んだ、『努力革命 ラクをするから成果が出る!アフターGPTの成長術』
伊藤羊一氏、尾原和啓氏共著 幻冬舎刊

ChatGPTの活用にも参考になる面白い書籍でしたが、こんな文章も参考になりました。
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<逆算思考の呪縛から自由になる>

「キャリアゴールがわかりません」
僕・伊藤は、若い人たちからよくこんな相談を受けます。
僕だって、自分のキャリアゴールなんて、正直、わかりません。

たくさんの人がキャリアゴールがわからないと不安になっているのは、そもそもありもしないものを求めているからです。
その根っこにあるのは、逆算思考が大事だという強迫観念です。
そもそも、キャリアや人生を逆算思考でなんとかしようとすることに、無理があります。

逆算思考は、試験勉強や、来期の目標達成のためには役立つ考え方です。
しかし、キャリアゴールや人生のゴールは、逆算思考だけでは決められません。
生きていくうちには、自分のコントロールが及ばないところで環境がどんどん変わり、予測できないことが起こるのがあたりまえだからです。

とはいえ、どこへ進んでいいかわからないと、一歩を踏み出せません。
そこでおすすめしたいのは、仮置きのゴールをつくることです。

ディー・エヌ・エーの主力事業は、もともと「ビッターズ」というオークションサイトでした。
その後、いち早くモバイルゲーム市場に参入。「モバゲー」が大ヒットし、いまでは売上1000億円を超える大企業に成長しています。
事業を方向転換することをピボットといいますが、環境が変わったとき、素早くピボットし続けられる社会が生き残ります。

キャリアゴールに対して、キャリアドリフトという理論があります。
ドリフトは「漂流する」という意味です。
大まかな方向だけを決め、仮置きのゴールをつくって、前に進む。途中では流れに身を任せ、ゴールを変えてもいい。
そうやって、出会いや変化を楽しむうちに、結果としてキャリアが築かれていくという考え方です。

そのとき大切なのは、キャリアアンカーです。アンカーは「錨(いかり)」という意味です。
「自分のペースで仕事をしたい」 「安定を重視したい」 「社会や人の役に立ちたい」など、
自分が大切にしたい軸さえ明確にしておけば、流れに身を任せても、大きな方向性を見失うことはありません。

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キャリアドリフトは、神戸大学の金井壽宏名誉教授が提唱するキャリア理論です。
現代社会は、技術の進歩や経済の変動、市場のニーズの変化など、予測が難しい要素が多く存在します。
そのため、長期的なキャリア計画を立てても、それが実現できる保証はありません。
キャリアドリフトは、このような不確定な未来に対応するために、変化に対して柔軟に対応する力を養う理論です。

キャリアドリフトの効果は予期しない出来事にも適応し、偶然の出会いや出来事を積極的に活用することで、
新しいチャンスを見つけることができます。
計画通りに進まないことをネガティブに捉えるのではなく、自分の軸を保ちながらも変化を前向きにとらえ、
楽しみながらキャリアを形成していくことができるのです。

話は変わりますが、「ドリフト」という言葉で昭和生まれの私たちが思い浮かぶのは、
1960年代から1980年代にかけて日本のエンターテイメント業界に大きな影響を与えたザ・ドリフターズ(略称ドリフ)ではないでしょうか。
彼らの名前の由来も「ドリフト」から来ており、「漂流者たち」という意味です。
しかし、ドリフターズの場合、「時代を漂流」するどころか、最後は「時代を席巻」してしまいました。
特に有名なのは、毎週日曜日、テレビ番組『8時だョ!全員集合』で、視聴率50%を超える驚異的な数値等を記録し続けました。

ザ・ドリフターズは、1956年に結成、当初はジャズバンドとして活動を開始しました。
リーダーのいかりや長介を中心に、音楽活動を行っていましたが、次第にコメディ要素を取り入れるようになり、
ユーモアと音楽を融合させた独自のスタイルを確立しました。
更に1964年には、ドリフターズのメンバーを一新し、いかりや長介、仲本工事、高木ブー、荒井注、加藤茶の5人組となります。
その後、荒井注が脱退、志村けんが加入しドリフターズの黄金時代を突き進むことになりました。
昭和の戦後の波に漂流しながらも、高度成長期の大波に挑戦し、芸能史に大きな功績を打ち立てたのです。
やはりアンカー(いかり)が効いていましたね。

志村けんさんの言葉
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どんなに時代が進もうが、後退しようが、自分の信じた道を行くっていうのが、一番のような気がするね。
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今からの時代、しっかりした軸がないと、漂流の末に最後は沈没してしまいます。

株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光