社長の一言集
第214号「咲くもよし、散るもよし 花は歎かず今を生きる」
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「咲くもよし、散るもよし 花は歎かず今を生きる」
2024年214号
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春の訪れを告げる桜は、今年は開花の遅れと冷たい春雨に見舞われました。
それでも、静かに時を待ち、短いながらも儚さの中で美しく咲いてくれました。
かたや、テレビでは毎日のように円安や株価の上げ下げ、裏金政治の話題が絶え間なく流れています。
経済の優先が、私たちの価値観を狭め、大切なものを見失わせる社会の歪みを感じるのは私だけでしょうか?
故ピーター・ドラッカーは、経営の本質を「人を幸せにすること」と定義しました。
経営だけではなく、政治も、教育も、目的は人の幸せを目指すことを願います。
月刊誌『致知』2023年11号 特集「幸福の条件より」抜粋
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『大学』は大人(たいじん/人の上に立って人々によい影響を与える人)になるための心得を説いた本だが、
その冒頭に、人の上に立つ人間にとって三つの大事がある、と述べている。
『大学』の三綱領(さんこうりょう)である。
一つは明明徳----明徳を明らかにする。
人は誰でもお日さまとお月さまをあわせたような徳を持っている。
この徳を発揮するのが明明徳である。徳を発揮するとはどういうことか。
自分を創ることである。自分の花を咲かせること、と言ってよい。
二つは親民----民に親しむ。
親しむとは、相手と一体になることである。
自分の花を咲かせるだけではない。
相手と一体になることで相手の中に眠っている徳を目覚めさせ、相手の花を咲かせるようにお手伝いをすることである。
三つは止至善----至善に止(とど)まる。
至善とは最高の善、即ち理想のこと。
止まるはストップではない。
文学的に言うと、「止」は足跡の形で、これを二つ重ねると「歩」になる。
つまり止至善とは「理想に向かって歩み続ける」ことである。
人の上に立つ者として大事なこの三綱領は、そのまま人が幸福に生きる道を説いている、と言える。
言い換えれば『大学』は、人が幸福に生きるためには何が大事か、の道標を示した名著なのである。
八木重吉にこういう詩がある。
花はなぜ美しいか/ひとすじの気持ちで咲いているからだ/
本当に美しい姿/それはひとすじに流れたものだ/川のようなものだ/
人生はいつたのしいか/気持ちがひとつになり切った時だ
この詩は重吉の幸福論である。ひとすじの気持ちでひたむきに生きている時、人は幸福である。
人でも仕事でも物でも、その対象と気持ちがひとつになり切った時、人生、これほど楽しく、幸せなことはない。
私たちもそういう生き方を目指したいものである。
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『大学』は、儒学の経典『礼記』に収録され、紀元前3世紀頃に著されたとされています。
日本が弥生時代だった時代に、中国ではすでに人間の行動や倫理に関する深い考察が行われていたのですね。
AIやSNSの波が押し寄せる現代社会において、真実、虚構が交錯する情報の洪水の中で私たちは生きています。
そんな時代の中で、『大学』のような古典が示す道徳観や人間としてのあり方は、
私たちの生き方や働き方の指針となり、心に深い気づきを与えてくれます。
「咲くもよし、散るもよし 花は歎かず今を生きる」(坂村真民)
株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光