社長の一言集

第178号「生き残るには『とは?』を問い続ける」

2021/04/27

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生き残るには『とは?』を問い続ける

                2021年178号
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コロナ禍、緊急事態宣言、米中の覇権争い等、暗いニュースが続く中で、世界で活躍する日本のプロスポーツ選手たちのニュースが注目を集めています。
米国マスターズでメジャー優勝を果たした男子ゴルフの松山英樹氏、MLBで開幕以来、二刀流で活躍している、エンゼルスの大谷翔平選手たちです。
華々しい活躍は、幼少期から積み重ねてきた彼らの超人的な努力の賜物です。

しかし、技術や体力を鍛えただけでなく、人間性を高める努力、良い習慣があったからだと思います。プロ野球では、毎年100人以上のドラフト選手が誕生していますが、一軍で活躍できる選手はほんの一握りです。その差は技術、体力だけではなく、良き指導者の存在と、様々な縁を活かす考え方の差ではないかと思います。

野村克也氏著『生き残る技術』竹書房
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「生き残るには「とは?」を問い続ける」

私がプロ野球界で生き残ってこられた大きな理由のひとつ、それは「考える」ということを続けてきたからに他ならない。

プロ野球界には毎年、高校、大学、社会人から優れた選手が各チームに入団してくる。
プロの世界に入ってくるのだから、いずれもその世代ではずば抜けた才能と技量の持ち主ばかりである。

だが、総じて「考える」という部分が甘く、それは昔も今も大差ない。
これは逆説的だが、プロ野球界には考えない人があまりにも多いので、私のような凡才でも生き残ることができたのだ。

私が現役の頃は先輩の練習やプレーを見て学び、さらにそこに思考、工夫を入れ込みながら自分なりの野球スタイルというものを築き上げてきた。
思考と行動はつながっている。結果を出すためには、事前にしっかりと考え、準備をする必要があり、実行のための思考なくして成功はない。


現役の時も、監督となってからも、私は常に「~とは?」と自分に問い続けてきた。

「いい打撃とは?」「いい投球とは?」「勝つための練習とは?」「勝つための戦術とは?」といった日々の具体的な問いかけから、
「野球とは?」「勝負とは?」「人生とは?」といった哲学的な問いかけまで、毎日が自問自答の連続。
そしてそんな考える日々が、私を精神的にも肉体的にも技術的にも強くしてくれた。

この「とは?」理論に関しては、本書の中で詳しく解説していきたい。

野球のやっかいなところは、深く考えても、深く考えなくてもできるところである。
だから、プロの世界に入ってきた選手たちは深く考えないタイプが多い。肉体的、技術的に優れているため、深く考えなくてもある程度野球ができてしまうからだ。

この私が「頭脳派」などと持ち上げられてしまうのだから、プロ野球界の体たらくは推して知るべし。
「この選手は考えてプレーしているな」
「この監督はしっかり考えて選手を統率しているな」

野球界の発展のためにも、そんな選手や監督がひとりでも多く出てきてくれることを切に願うばかりである。

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考える事の大切さは、スポーツだけではなく、人生、経営でも同じです。
しかし、「考えている」と言っても考えの深さ、広さ、質の次元がまったく異なります。

陽明学者で思想家の安岡正篤氏の難しい問題を考える時の三つの原則

第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目でみること
第二は、物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に見ること
第三は、何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考えること


木野親之氏著『松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日』コスモ教育出版
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考えて、考えて、考え疲れていつの間にか、うとうとして眠ってしまったことがある。
目が覚めても答えが出ない。そんな時、頭で考えるのをやめて、今与えられている仕事に没頭して夢中になっている時に、
ふとどこからか答えが出てくることがある。

日頃の勉強(知識)と情報が知恵となって答えを出してくれるのです。

松下幸之助は、「これが人間の妙味だと思う」と言って笑顔を浮かべていました。

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人生、経営の中で、難しい問題に対峙した時に、考え抜く力を発揮した人こそが、「生きるコツ」、「経営のコツ」の気づきを得る事が出来るのですね。
正に、幸之助翁の「経営のコツ、ここなりと気づいた価値は百万両」です。

国難を迎えた今の日本に、昔の先人たちがご存命であれば、どんな考えを示されることでしょう?

「コロナ禍の今を活かすとは?」を、考え抜かなければいけません。

株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光