社長の一言集

第177号「未来を信じて真剣に誠実に」

2021/03/31

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未来を信じて真剣に誠実に

                2021年177号
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コロナ禍の終わりが見えてきません。いつまで続き、繰り返すのか、誰も示せない状況です。
折れそうな心を支えてくれる先人達が遺してくれた言葉がありました。

藤尾秀昭氏著『人生の大則』 致知出版社より
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弘法大師空海の言葉

「医王の目には途(みち)に触れて皆薬なり。
解宝(げほう)の人は鉱石(こうしゃく)を宝と見る」

名医は道に生えている草の中からも薬を見出し、宝を解する達人は普通の石の中にも宝を見つける、というのである。
結局、人生はこの二つの言葉が指し示すところに尽きるのではないだろうか。

真理は月の光のように満ちあふれている、と言ったのは誰だったか。
見る目を持った人が見れば、人を幸福に導く真理は至るところにあふれているのに、それに気づき、つかもうとする人がいないことを示唆した言葉である。

では、どうしたら満ちあふれる真理に気づき、医王の目を養い、解宝の人になることができるのか。古来多くの名人、達人の生き方にそのヒントを探れるように思う。

その第一は「真剣に生きる」ことである。まったくの徒手空拳から身を起こし成功を勝ち得た人は一様に、真剣に努力した人である。そういう人のみが天地不書の秘伝、法則をつかむのだ。

第二は「恩を忘れず、恩を返す」。受けた恩を忘れないで必ず返そうとする姿勢に、宇宙の霊妙な働きは呼応するのである。

第三は「いまここに生きる」こと。人生は「いまここ」しかない。その「いまここ」に集中する。心の焦点が定まっていない人に、真の気づきは得られない。

第四は「学ぶ」ことである。

松原泰道(たいどう)老師がよく口にされる『法句経(ほっくきょう)』の言葉がある。

「頭(こうべ)白しとて
このことによりてのみ
彼は長老(おさ)たらず
彼の齢(よわい)
より熟したりとも
これ空(むな)しく
老いたる人とのみ
よばれん」

高齢者になったから尊いのではない。高齢者になってもなお道を求めてやまないところに年を取る意味はあるのだ、と師は言われる。

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木野親之氏著『松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日』コスモ教育出版より
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至誠に生きた人が幸之助でした。
どんなことに対しても、誠実に接し、真剣にベストを尽くして行動したのです。
人生には、予想も出来ない結果が生じます。

幸之助は、苦労する時にも誠実に苦労に取り組み、そのことで人々の心を動かしていったのです。
誠意誠実以上に幸せに生きる道はありません。

「君、誠実が一番大切やな」 
ある時ポツリと幸之助が言ったことを覚えています。  

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「誠実に苦労に取り組む」という言葉は聞いたことがありません。
数々の正念場を乗り越えてきた経営の神様「松下幸之助翁」の性根は、どんな時でも「真剣」と「誠実」そのものだったのですね。

未来が見えないのであれば、未来を自らがつくりだす。
「未来を信じて真剣に誠実に」、今を切に生きぬく覚悟と備えが必要です。

株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光