社長の一言集

第174号「誠の意志あれば、必ず一策あり」

2021/01/25

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 誠の意志あれば、必ず一策あり
                            2021年174号
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2020年、新型コロナは、混乱と、秩序無き世界を私たちにもたらしました。
終結の見えない中、沢山の方々がご苦労されています。

10年前の2011年、東日本大震災は、天災、人災、国災という「複合連鎖災害」で、大きな爪痕を残しました。
放射能の処理問題、汚染の影響は、10年たった今も続いています。

そして、「事後の百策より事前の一策」を、誰もが痛感させられました。

元欧州復興開発銀行総裁 ジャック・アタリ氏「次の危機、備えているのは誰か」
『日本経済新聞』2020年12月3日より
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我々はコロナ危機をきっかけに、国際的な枠組みや国際機関をてこ入れし、将来のパンデミックなどに対する備えを万全にすべきだ。11月、サウジアラビアを議長役にオンラインで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議では、気候変動問題への関与についても一段と強化することを打ち出した。米大統領の交代を機に、合理的な多国間主義を再始動させるべきだろう。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」や世界保健機関(WHO)などの国際機関の役割を再強化できる。

当然ながら、21年も危機に見舞われる恐れはある。まず、新型コロナ向けのワクチンが承認されたのは政治的な圧力によるもので、接種は時期尚早だと明らかになる場合だ。深刻な副作用が判明すれば接種は中断され、世界中の人々は数年にもわたり、長い時間を自宅で過ごすことを余儀なくされるかもしれない。

また、20年に予測された潜在的な危機が現実に起こる恐れがある。例えば中国による台湾などとの衝突、イランやトルコとそれぞれ関係の近い国による周辺国との紛争などだ。こうした危機により地政学的な均衡が失われ、瞬時にして世界中が危機に巻き込まれる恐れもある。(物理的な衝突にまでは発展しないだろうが)EUにとってのハンガリーとポーランドも、地域の復興計画の配分を巡る波乱要因といえる。

地域発とは異なる、世界の構造的な政治危機も起こりうる。世界の超富裕層の資産の割合が、ほかの層に比べ増加し続けたとしよう。貧者は貧困から抜け出せず、中産階級が無産階級に転落することが誰の目にも明らかになれば、未曾有の危機が起こるだろう。米金融市場では、一部の企業の株価が投機的な水準に達しているため、金融バブル崩壊の恐れもある。

今回のパンデミックに加え、蚊や豚などの動物を介する新たな感染症の発生、アフリカのサハラ以南の深刻な気候問題も懸念すべき危機だ。ドローンや化学物質、細菌などを用いたテロ事件の勃発の懸念もあるだろう。

準備を怠らなければ、危機にはさまざまな解決策がある。私が疑問に思うのは「世界では、一体誰がそれぞれの準備に真剣に取り組んでいるのか」だ。
危機を防ぐ、少なくとも直撃を避ける、あるいは不幸にも起きてしまった場合、講じるべき措置を判断できる受け皿は存在するのだろうか。疑問に対する明快な回答があるまで、我々は安眠できないだろう。

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改めて、「事後の百策より事前の一策」で、今後に備えなければいけません。
コロナだけではなく、日本にはまだ南海トラフ地震の危機、超高齢化問題等も山積しています。

1995年の阪神・淡路大震災から約10年毎の大きな災いで私が学んだことは、連鎖に備える有効な一策は、「試練・変化を受け入れる覚悟」と、「自らの努力・行動」を前提にしないと、見つけられないということです。

更に、論語の中に「一以貫之〈いちをもってこれをつらぬく〉」という言葉があります。
これは、一つのもの(仁:思いやり・誠実さ)をもって、あらゆる事柄に対処すべきという孔子の言葉です。

「誠の意志あれば、必ず一策あり」です。

子どもたちの未来のために、価値ある一策を遺せたらと願います。

株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光

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「志が縁をつくり、感謝が縁を活かす」(RHIZOME PRESS〔Vol.026〕