社長の一言集
第128号 「現地現物主義」
2017/02/17
---------------------------------------------------------------------- 「現地現物主義」 2017年128号 ---------------------------------------------------------------------- トランプ政権の影響が見通せない状況で、日本の各企業は米国の露骨な雇用重 視の難題政策に神経をとがらせています。 トヨタについてはトランプ氏からTwitterで名指しの批判もありました。 そのトヨタですが、今年2月でトヨタグループの創始者である豊田佐吉氏の生誕 150年を迎えました。 佐吉氏は、遠江国敷知郡(ふちのごおり)山口村(現在の静岡県湖西市)に大工 の父伊吉、母ゑい(えい)の長男として生まれました。 貧しい暮らしの中で、母親に楽をさせてあげたいと言う気持ちから、佐吉氏は 明治23年に画期的な木製動力織機を発明します。 佐吉氏は更に改良を重ね、大正13年には豊田自動織機を完成させます。 その後、英国のプラット社にこの特許権を譲渡し、得た資金で念願であった自 動車産業へ本格参入するチャンスを掴みました。 佐吉氏は明治43年に渡米した際、ニューヨークで爆発的に普及し始めた自動車 を見て衝撃を受けています。 その時に「車の時代の到来」を確信していたのです。 何事も現場、現物を重んじる。 佐吉氏の「自分の目で見て、自分で考える」という基本的姿勢が、時代の変化 をいち早くとらえ、自動車産業への参入という大きな挑戦に繋がりました。 それは「現地現物主義」として、今もトヨタの中に引き継がれています。 日本経済新聞 2017年2月10日の記事より ---------------------------------------------------------------------- 「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」 「とにかくやってみろ」 東京帝国大学(現東京大学)を卒業した豊田喜一郎氏(トヨタ創業者)が、父・ 佐吉氏の織機開発を手伝っていたときの話だ。 「父とあることについて議論し勝ち、実行してみる価値がないと判断した」 が、指示に従ってやってみると「予想を裏切って良い成績を示した」。 それから、議論することをやめた、という。 トヨタが大事にする「現地現物」はこうして始まった。 トヨタの海外展開にあわせてローマ字の「GenchiGenbutsu」は、世界各地へ と広がったが、予想を上回る波及力もみせている。 向かった先は米シリコンバレーだ。 コンサルタントで起業家のエリック・リース氏が「リーン・スタートアップ」 という考え方を提唱している。 トヨタから着想を得たという考え方の柱のひとつは「粗削りの製品を早期に 世に出し、その反応をみて改良を重ねる」。議論よりまず手を動かせという 教えだ。 インターネット関連の有力スタートアップ(新興企業)に加え、米ゼネラル・ エレクトリック(GE)などの大企業や米連邦政府機関もサービスの効率的な 開発手法として活用事例を積極的に紹介する。 ------------------------------------------------------------------------ 今、自動車業界は大きな変革期に差し掛かっています。 環境規制によるエコカー開発競争、アップルやグーグルなどのIT企業との自動 運転車の開発競争、AI技術の進化、そして若者の車離れです。 今までに経験したことの無い事態です。 2016年のトヨタの研究開発費は約1兆円と、売上高の約4%を占めています。 今後、「現地現物主義」から、どのような挑戦が生まれてくるのでしょう。 豊田佐吉氏が生まれた静岡県西部は遠州地方と呼ばれに「やらまいか」という 方言があります。「やりましょう」・「やってみよう」を意味するそうです。 「やってみなはれ やらなわからしまへんで」はサントリー創業者鳥井信治郎氏 の言葉です。 鳥井信治郎氏は未知の分野に挑戦しようとして周囲から反対を受けるたび、この 言葉を発して決して諦めなかったそうです。 どんな時代も「現場」・「市場」に答えがあり、「信念」を持った「挑戦」なく して「成果」はつかめないようです。 株式会社リゾーム 代表取締役 中山博光 +---------------------------------------------------------------------+