社長の一言集
第127号 「挑戦と進化」
2017/01/23
---------------------------------------------------------------------- 挑戦と進化 2017年127号 ---------------------------------------------------------------------- 米国、日本、アジア、ヨーロッパ等の多くの国、企業、個人が、トランプ新大 統領のわずか140文字のTwitter投稿や、想定外の言動に翻弄されています。 予測の難しい、変化と矛盾に満ちた新しい年が始まりました。 しかし、変化と矛盾が問題なのではありません。問題はどう対処するかです。 大きな視点で実態を捉え、矛盾を客観的に受け入れ、適応することが必要です。 そのことにより「ピンチ」の中の「チャンス」を見出し、新たな成長のきっか けにする老練さがトップには必要です。 ソフトバンクグループの孫正義社長は、トランプ氏が次期大統領に決まった翌 月にはマンハッタンのトランプタワーでトランプ氏と会談を実現しています。 孫氏は総額で500億ドル(約5兆7000億円)を米国に投資し、5万人の雇用を生 みだすとトランプ氏に確約しました。 昨年、サウジアラビアのムハンマド副皇太子と発表した投資ファンド構想の資 金等を新たに米国の事業に投資するというビッグスケールの決断です。 この孫氏の投資の決断が賢明なものだったのかは、私たちは将来の結果でしか 知ることは出来ません。 しかし、孫氏のアメリカでのビジネス投資は以前から想定されていたもので、 「激変するアメリカ」をいち早く読み取り、絶妙のタイミングで、最初に名乗 りを上げたのは大したものです。 敏腕経営者であり、名策士でもある孫氏らしい行動です。 ソフトバンクグループの新卒採用向け会社説明会 「ソフトバンク新卒LIVE2015 〜孫 正義から未来を担う皆さんへのメッセー ジ〜」より (要約) ---------------------------------------------------------------------- 私は今、いろいろな挑戦をしています。 挑戦をしているときは、多くの困難にぶつかります。 しかし困難が「生きている」という喜びを与えてくれます。 「会社選び」で重要なのは、現在や過去よりも将来その会社がどうなるのか 先を読むことです。 企業の価値は何で決まるのか? それは「挑戦と進化」です。 《「挑戦と進化」を支える5つの「進化の極意」について》 ====================================================================== 一つ目の極意は「登る山を決めよ」です。 二つ目の極意は「脳がちぎれるまで考えよ」です。 三つ目の極意は「時代は追ってはならない、読んで仕掛けて待たねばならな い」です。 四つ目の極意は「志を共にするものを集めよ」です。 五つ目の極意は「険しき道でも義の道は利の道より尊し」です。 ---------------------------------------------------------------------- 今回のトランプ氏との会談と投資の発表は、この極意のもとに周到に準備され ていて、電撃とも言える速さで実現したのではないでしょうか。 少なくともトランプ氏のTwitter投稿に翻弄された対応ではありません。 孫氏と交友のあった、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の有名な2005 年6月のスタンフォード大学での卒業祝賀スピーチの最後のメッセージがあり ます。 ---------------------------------------------------------------------- Stay hungry, stay foolish. (ハングリーであれ、愚かであれ) ====================================================================== 「常に挑戦する。矛盾やたてまえに翻弄される常識を、はみ出してしまう ような器の大きなバカになれ。」 ---------------------------------------------------------------------- 変化や矛盾と一緒に訪れる「チャンス」は、色々な形に化けて、猛スピードで 私たちの目の前を通過していきます。 その「チャンス」が本物かどうかは、傍観していては分かりません。 まず自分の手で掴んでみる。しかし、傷つき、汚れる・・・事もあります。 それは、決して失敗ではなく、貴重な経験です。 失敗とは、「チャンス=変化」に気づいて何もしない事、そして対応が遅い事 です。 株式会社リゾーム 代表取締役 中山博光 +---------------------------------------------------------------------+