社長の一言集

第118号 「会社の目的は永遠に存続すること。」

2016/04/18
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会社の目的は永遠に存続すること。
                            2016年118号
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4月14日に熊本県熊本地方で発生した地震は、日を追うごとに範囲が拡大し、
大きな余震が続いています。
お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆さまに
お悔やみを申し上げます。
また、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

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大正2年、大阪生まれの梶谷忠司氏は、中国での兵役の後、疎開先の金沢で
喫茶店・古着店・ボタン屋・化粧品店等を営みます。
そして、まだ戦後のなごりが残る昭和30年にその金沢で東芝家電の展示場を
開設するチャンスを得ます。
当時は釜でご飯を炊いていた時代に、梶谷氏は最新の電気炊飯器の販売にいち
早く取り組みました。
その性能を実証するために、お客様の目の前で、実際にご飯を炊く実演販売を
行ったのです。
この企画は大いに人々の目をひきつけ、実演販売は大当たり。
東芝の電気炊飯器は飛ぶように売れていきました。

しかし、一方で実演すればするほど大量に炊いたご飯が余ってしまいます。
時間が経ち、冷えたご飯はおいしくありません。
捨てるに捨てられない....。"もったいない...."。
悩み続けたある日、梶谷氏は冷めてもおいしく食べられる「お寿し」づくりを
思いつきます。
金沢では、祭りなどに「押し寿し」をつくり、ご近所にふるまう風習があり、
この押し寿司をアレンジして「笹寿し」ブランドで企画・販売したのです。
この「笹寿し」は、徐々に地元金沢で人気を博し地元の名物となりました。

昭和33年には社名を「芝寿し」とし、新たに会社を立ち上げます。
電気炊飯器の販売より、お寿しづくりが本業となったのです。
「芝寿し」の「芝」は、お世話になった「東芝」さんにちなんで使用され
ました。

大阪生まれの梶谷さんが、縁あって金沢で創業した芝寿しは、現在では三代
目の、孫の真康氏が社長に就任し、年商40億円の北陸を代表する企業に成長
しました。

一方、芝寿しさんとご縁があった東芝の白物家電事業は先月、中国家電大手の
美的集団に売却が決まりました。

人も会社も、長い年月の間に様々な縁に巡り会い、更にその縁が繋がって
予想もしなかった、まったく違う未来へ繋がることもあります。
「禍福は糾(あざな)える縄のごとし(史記/南越伝賛)」ではないですが、
災いの縁と、福なる縁が、撚り合わせた縄のように表裏一体で入れ替わり続け
ます。
しかし、その縁(因)を覚悟をもって受け入れ、どう活かすかで「結(果)」は大
きく異なります。

現在の混迷とリスク溢れる困難な時代に、未来(縁)を直視して、躍進を続けて
いらっしゃる、お二人の名経営者のお言葉があります。

アイリスオーヤマ社長 大山健太郎氏
日本経済新聞 私の履歴書2016年3月12日掲載より
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 どの業界にも、好不況の波が必ずある。
 好調の時はどんどん人を採用し、不調になると事業を縮小し人を切るのは、
 私の目指す経営ではないと思われた。
 「好調のときにもうけることより、不況のときでも利益を出し続けることを
 大事にする会社」。 一つの答えが出た。
 この姿勢は後にアイリスオーヤマの企業理念の第一条として明文化した。
 全文を引用すると「会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に
 於いても、利益の出せる仕組みを確立すること。」となる。
 社員は全員、これを暗唱できる。
 その裏には40年前のリストラを繰り返すまいという私の決心がある。
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ニトリ創業者 似鳥昭雄氏
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 私は景気が良くなる予測は一度もしたことがありません。
 景気が悪くなった時に何をするかだけです。
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好景気、不景気を繰り返すのがジェットコースターだとしたら、今の状況はジ
エットコースターの土台そのものが世界規模で崩壊し始めている気がします。
誰もが予測もしない「まさか」の事態が起こり始めています。

AI(人工知能)や外国人投資家に翻弄される株価や円相場、それに影響される企業
業績に一喜一憂している場合ではないようです。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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