社長の一言集

第117号 「今からの社会を幸せにするイノベーション」

2016/03/16
----------------------------------------------------------------------
今からの社会を幸せにするイノベーション
                             2016年117号
----------------------------------------------------------------------
昨年実施した国勢調査速報値によると、日本の人口は1億2711万人で、5年前
の調査と比べて94万人余りも減少しました。

都道府県別で人口が増加したのは、東京・愛知・埼玉など8つの都県で、沖
縄と福岡は人口増加率も前回を上回りました。

一方、人口が減少したのは残りの39の道府県で、その中でも大阪府の減少は
正直、驚きました。

世帯数は5240万世帯で、前回より145万世帯増えた一方、1世帯当たりの人員
は2.38人と、前回を0.08下回り、核家族化が更に進んでいます。

加速する人口変化、政治の変化、社会の変化、ITの進化は、今まで誰も経験
したことの無い、不確実で未知なる時代をつくり始めています。
正に、道なき原野に臨む心境です。

これからの経営は、この変化にどのように立ち向かえばいいのでしょうか?
ドラッカー博士は、「変化に対応する」という考え方から、「変化をつくり
出す事」こそが勝ち残りの条件であり、更に「未来は今日つくる」というス
ピードも大切だと述べています。

そして、どのような時代であろうと、 企業の目的は「顧客の創造」であり、
そのために企業は二つの基本機能を持つ必要があると述べています。
その二つの基本機能とは「マーケティング」と「イノベーション」です。
いずれも、経営にとって不可欠な機能ですが、特に「イノベーション」は
今後、強く意識して取り組まなければならない重要な機能だと思います。

イノベーションの取り組みについてドラッカー博士は以下の条件を述べてい
ます。
-----------------------------------------------------------------------
 ①イノベーションをおこなうには機会を分析することから始めなければなら
  ない。

 ②イノベーションとは、理論的な分析であるとともに知覚的な認識である。
  イノベーションをおこなうにあたっては、外に出て見て、問い、聞かなけ
  ればならない。このことは、いかに強調してもしすぎることはない。

 ③イノベーションに成功するには、焦点を絞り単純なものにしなければなら
  ない。

 ④イノベーションに成功するには、小さくスタートしなければならない。
  大がかりであってはならない。具体的なことだけに絞らなければならない。

 ⑤最後の「なすべきこと」として、イノベーションに成功するには最初から
  トップの座を狙わなければならない。
  さもなければ、競争相手に機会を与えるだけに終わる。
------------------------------------------------------------------------

②の条件は、世界のHONDAの創業者、本田宗一郎氏のお考えと重なりました。

本田宗一郎氏の言葉
------------------------------------------------------------------------
 人生は『見たり』『聞いたり』『試したり』の3つの知恵でまとまっている
 が、多くの人は『見たり』『聞いたり』ばかりで一番重要な『試したり』を
 ほとんどしない。
 ありふれたことだが、失敗と成功は裏腹になっている。
 みんな失敗を恐れるから成功のチャンスも少ない。
------------------------------------------------------------------------

又、戦後の混乱期、苦難の道を乗り越えられた松下電器創業者の松下幸之助氏
の時代認識も大変参考になります。

松下幸之助氏の言葉
------------------------------------------------------------------------
 不確実性の時代と人はよく言います。
 事実、思わぬことが次つぎと起こって混乱することがよくありますが、私は
 不確実性ということは肯定しません。
 なぜなら、不確実な現象は全部人間自身の活動の所産であり、人間自身が不
 確実な考えを持ち、不確実な行動をするところに起こってくるものだと思う
 からです。
 だから、不確実な考えや行動をやめたら、確実になってくる。
 そういう自覚で仕事をすることが大切だと思います。
 未来は"確実性の時代"だという発想の転換、未来に対処する基本的姿勢の転
 換こそ、今日、私たちお互いの緊急重要事ではないかと思うのです。
------------------------------------------------------------------------

本田宗一郎氏と松下幸之助氏の多くの名言の源流は、「世の為、人の為の経営」
であり、その信念が、多くのイノベーションを創り出してきたではないでしょ
うか。
目先の株価、円相場、金利等に一喜一憂する「お金」に偏りすぎた資本主義で
はなく「徳」という目に見えない資本を追求してきたのが、偉人たちの資本主
義だったようです。

そのために、「今からの社会を幸せにするイノベーション」の挑戦を始めなけ
ればいけません。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

+-------------------------------------------------------------------------+