社長の一言集

第106号 「私が教えたかったのはここたい。」

2015/03/30
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私が教えたかったのはここたい。
                                                       2015年106号
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文科省の発表によると、今春卒業予定の高校生の就職内定率は昨年末時点で、
前年同期より3.5ポイント高い88.8%だったそうです。
5年連続の上昇で、バブル崩壊前の1980年代後半以来の高水準です。

卒業式の日に「最後の親子授業」を続けていらっしゃる大畑誠也(九州ルーテル
学院大学客員教授)先生の記事が月刊『致知』2011年1月号にあります。
少し以前の記事ですが、ご案内させて頂きます。
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 私が考える教育の究極の目的は「親に感謝、親を大切にする」です。
 高校生の多くはいままで自分一人の力で生きてきたように思っている。
 親が苦労して育ててくれたことを知らないんです。

 これは天草東高時代から継続して行ったことですが、このことを教えるのに
 一番ふさわしい機会として、私は卒業式の日を選びました。

 式の後、三年生と保護者を全員視聴覚室に集めて私が最後の授業を
 するんです。

 そのためにはまず形から整えなくちゃいかんということで、
 後ろに立っている保護者を生徒の席に座らせ、生徒をその横に正座させる。
 そして全員に目を瞑らせてからこう話を切り出します。

 「いままで、お父さん、お母さんにいろんなことをしてもらったり、
  心配をかけたりしただろう。それを思い出してみろ。
  交通事故に遭って入院した者もいれば、親子喧嘩をしたり、
  こんな飯は食えんとお母さんの弁当に文句を言った者もおる」
 
 そういう話をしているうちに涙を流す者が出てきます。

 「おまえたちを高校へ行かせるために、ご両親は一所懸命働いて、
  その金ばたくさん使いなさったぞ。
  そういうことを考えたことがあったか。
  学校の先生にお世話になりましたと言う前に、まず親に感謝しろ」

 そして
 「心の底から親に迷惑を掛けた、苦労を掛けたと思う者は、
  いま、お父さんお母さんが隣におられるから、その手ば握ってみろ」
 と言うわけです。

 すると一人、二人と繋いでいって、最後には全員が手を繋ぐ。
 私はそれを確認した上で、こう声を張り上げます。

 「その手がねぇ! 十八年間おまえたちを育ててきた手だ。
  分かるか。......親の手をね、これまで握ったことがあったか?
  おまえたちが生まれた頃は、柔らかい手をしておられた。
 
  いま、ゴツゴツとした手をしておられるのは、おまえたちを
  育てるために大変な苦労してこられたからたい。それを忘れるな」

 その上でさらに
 「十八年間振り返って、親に本当にすまんかった、
  心から感謝すると思う者は、いま一度強く手を握れ」 
 と言うと、あちこちから嗚咽が聞こえてくる。

 私は
 「よし、目を開けろ。分かったや?私が教えたかったのはここたい。
  親に感謝、親を大切にする授業、終わり」
 
 と言って部屋を出ていく。
 振り返ると親と子が抱き合って涙を流しているんです。
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私は、この授業を受けた事はありませんが、読むたびに涙が出てしまいます。
吉田松陰先生の「親思う心にまさる親心」ではないですが、親の恩の深さは
なかなか子供には分かりません。
私もそうですが、ほとんどの人が
「自分が、親になってみて初めて親の苦労が分かる。」
「親が亡くなって、初めて親の存在の有難さが分かる。」ようです。

株高、円安、インバウンドと景気の良い話題もありますが、高齢化が進む中
親の介護、認知症、人手不足の厳しい現実に、社会も企業も対応していかな
ければなりません。
親の恩、先人たちの恩にどれだけお応えできるか、改めて考えさせられる
桜の季節です。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光 

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