社長の一言集

第105号 「感謝の心を持てば運はやってくる。」

2015/02/27
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 感謝の心を持てば運はやってくる。
                                                       2015年105号
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JNTO(日本政府観光局)より、2015年1月の訪日外客数が発表になりました。
前年同月比29.1%増の121万8千人で、1月としての過去最高を記録しました。
特に、中国からの訪日外客は45%の伸びを示し、統計開始以来、初めて単月で
30万人を超えるという急伸ぶりです。
年間訪日外客の消費2兆円の内、5600億円を占める中国人訪日外客の消費パワー
には本当に驚かされます。
今年の中国の春節(旧正月)を祝う2月18日からの大型連休前後の「爆買い」
の様子が、連日TVで放映されています。

中国は経済危機や格差拡大等、色々危惧されていますが、着実に成功をつかみ、
海外で消費を謳歌する人々も多く存在しています。
以前、ある企業様の依頼で上海の高額所得者の方々へグループインタビューを
実施したことがあります。
そのほとんどは中国の都市部で台頭してきた「新成功者」と言われる人々です。
 ※「新成功者」は博報堂でつくられた名称です。
その特徴は、有力大学を卒業し、上昇志向が旺盛で、ITを使いこなし、一つ以
上の外国語を習得し、家族思いで、生活を豊かに楽しむことに貪欲な人々です。
正に中国の新しい成功者達です。

その中でも、昨年、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、いきなり
時価総額2300億ドル(約25兆円)で、トヨタ自動車(約22兆円)を超えた
アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)会長は、世界で最も注目されている
中国人経営者の一人です。
「アリババ(阿里巴巴)」から始まり、ネットオークションの「タオバオ(淘宝網)」、
決済システムの「アリペイ(支付宝)」を世に送り出した「新超成功者」です。

馬雲氏の生い立ちから、今日に至るまでの生き方と経営哲学について丁寧に記録
された「ジャック・マー アリババの経営哲学」(張燕/著, 永井麻生子/翻訳)が、
㈱ディスカヴァー・トゥエンティワンより出版されました。
大変読み応えのある本でしたが、その中でも特に共感を感じた文章がありました
ので、ご紹介させて頂きます。
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 「感謝の心を持てば運はやってくる。」

 人は、自分がこんな人物になりたいという希望さえあれば、どんな人物にでも
 なれる。まさに馬雲の言う通り、それが信念というものだ。
 「信念とは何か?『信』とは、感謝、信仰、畏敬だ。未知のことは多いが、
 知らないことには畏敬の念を持つことだ。

 私や周囲の人々は感謝に満ちている。
 10年前、私が感謝という言葉を口にしたときは、まるでスローガンのようだった。
 今となっては、われわれはなんてラッキーだったのだろうと心から思う。
 多くの人が、私の運はどこから来るのかと聞くが、感謝の心を持ってさえいれば
 運はやってくるとしか言いようがない。
 また、畏敬の念を忘れなければ邪気は寄りつかない。私はそう思っている。」

 成功するには、常に自分が求めるものは何なのかを分かっている必要がある。
 それは、つまり信念を持つということだ。

 人は、自分を疑ってもいいが、信念を疑ってはいけない。
 自分を疑うことは、自分自身の進歩につながる。
 しかし、信念を疑うことは、すなわち自分が歩んできた人生に執着しなくなる
 ということだ。
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・世界中のあらゆる商売をやりやすくする
・中小企業を助ける 
という二つの信念を貫いた馬雲氏の数々のメッセージは、日本の名経営者の言葉と
重なります。

京セラ・第二電電創業者 稲盛和夫氏著書「心を高める、経営を伸ばす」PHP文庫
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 同じ厳しい環境に置かれても、状況妄動型の人は、状況が悪いことを理解し
 その結果、自分の願望が無謀であったことを悟るだけですが
 心の奥底から発し、信念にまで高まった願望を持っている人は
 問題をいかに解決するかという創意工夫と努力を始めるのです。
 つまり、"状況は我に利あらず"と理解したときに、自分の願望を捨てる人と
 つぎの瞬間から改めて勇気を奮い起こす人の違いです
 人生において、素晴らしい歩みをしていく人と
 挫折につぐ挫折を重ねていく人、また平々凡々と進む人、
 その違いは、ここにあると思います
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中国では今、大変な勢いで稲盛哲学が広まっています。
稲盛氏は「いま、中国では多くの企業経営者の方々が、これまでの利己的な経営の
あり方を見直し、利他の心という言葉を口にするようになっている。
世界でも最も『強欲な資本主義』の道を突き進んでいると思われている中国で、
これまでにない新しい動きがはじまっている。」と述べています。
正に馬雲氏の成功哲学そのままです。

「根無し草に花は咲かない。信念がなければ人生に花は咲かない」
                              松下幸之助

政治問題に囚われことなく、経済・文化面での日本と中国との絆が更に深まり、
大きな花が咲く事を期待します。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光


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