社長の一言集

第200号「私はたえず喜びを求めながら生きている」

2023/02/27

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「私はたえず喜びを求めながら生きている」

                2023年200号
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『社長からの一言』もお陰様で、今回で200号を迎えさせて頂きます。

2006年6月から約17年という月日は長いようですが、振り返れば短くもあり、色々な出来事を経験し学び続けた期間でした。

当時の『社長からの一言』に、P・F・ドラッカー氏の「歴史が見たことのない未来が始まる」という言葉を掲載しました。
そして今、正に誰も見たことも、考えたこともない世界が到来し、人類の歴史を変え始めています。
インターネット革新を越える、オープンAIの登場です。
詳細は、後日にまわしますが、対話型AI「チャットGPT」・「Bard」は、
従来のビジネスを凌駕し、私たちにとんでもない影響を及ぼしそうです。

又、『社長からの一言』では、多くの経営者、先人の方々の言葉、エピソードも掲載させて頂きました。
苦しい時、悩んだ時に、私の心を癒し、勇気づけてくれた言葉がたくさんありました。
その中でも本田宗一郎氏の残されたメッセージは、味わい深い言葉の一つです。
皆様ご存じのように、本田氏は大正3年、小学校2年生の時に初めて見た飛行機への感動を追い続け、
バイク、車だけではなく、小型ジェット機まで生産した世界のホンダの創業者です。


本田宗一郎氏と世界のホンダを育てた藤沢武夫氏・著
『松明(たいまつ)は自分の手で』PHP出版社より
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われわれが知らなければならないことは、われわれのおかれている位置が、
われわれの進んでいく方向が、正しいか、正しくないか、ということを知るのが、一番大事である。
だから、いま現在、繁栄しているかどうかということは、それは二番目になってしかるべきである。
(中略)
オートバイというものなんかは、そんなに需要があるということをだれも考えもしなかった。
しかし、三年なり五年なり、だんだん積み重ねて、これが将来伸びるという確信を持って進んできた。
もちろんその時分には、もっとほかにいい商売がいくらもあった。
あれならもうかる。砂糖だとか、セメントだとか....。
そういうものを作れば十分企業として成り立つということもわかっていた。
しかし、それでは近代産業というものは成り立たない。
みんなが将来ほしいであろうというものを、じっくり考えて、それに向かって進んでいくことが必要である。

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商売というのは「今、楽して儲かる」ものもあれば、「世のため人のため」に将来の価値を目指す商売もあります。
正しいとは一の下に止まるという字を組み合わせます。
短い人生で余分なことをしない、一を持ってこれを貫くという覚悟と、鍛錬が必要です。
そして、何が正しかったのかは、時間が教えてくれます。
10年後、30年後にその商売が残ったか?残っていたとしたら、どのような残り方をしたのかが、正しい商売だったかの答えです。


又、本田宗一郎氏が鍛錬を重ねられた中で残された、私が一番好きなメッセージがあります。
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悲しみも、喜びも、感動も、落胆も、常に素直に味わうことが大事だ。

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"悲しみ"に始まり、"落胆"に終わるところが、創業経営者である本田宗一郎氏の鍛錬を味わい尽くした人生の境地だと思います。
人間は、人生という場で、「経験する、繋がる、感謝する」ために生まれてきたと私は思います。
悲しみも、喜びも、感動も、落胆もしっかり味わうことにより、どんな経験も、感謝として残せるのではないでしょうか。

アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」が今年、発表した「今年の10大リスク」です。
1. ならず者国家ロシア
2. 「絶対的権力者」習近平
3. 「大混乱生成兵器」(テクノロジーの進歩による社会混乱)
4. インフレショック
5. 追い詰められるイラン
6. エネルギー危機
7. 世界的発展の急停止
8. 分断国家アメリカ
9. TikTokなZ世代(デジタルネイティブ世代の台頭)
10. 逼迫する水問題

どれも私たちが未だ見たことのない深刻なリスクばかりです。更に、全てが繋がっています。
それらがおこることにより、どんな未来になるのでしょう。
その答えは300号の頃には分かるかもしれませんが......。
今度、チャットGPTに質問してみましょう。
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私はたえず喜びを求めながら生きている。
そのための苦労には、精一杯に耐える努力を惜しまない。
                    本田宗一郎
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株式会社リゾーム
代表取締役 中山博光