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社長の一言集

第102号 「一第102号 「一燈を揚げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め」燈を揚げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め」

2014/11/28
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「一燈を揚げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め」
                                                       2014年102号
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2003年に大丸札幌店で、百貨店の革新モデルを確立し、経営改革を進めて
こられた、J・フロントリテイリング相談役奥田務氏の著書が発売されました。

奥田氏の入社当時のエピソードやオーストラリアでの社長時代、松阪屋との
経営統合、パルコグループ化の経緯等、興味溢れる内容となっています。
その中でも、最後の言葉に非常に感銘を受けましたのでご紹介させて頂きます。

『未完の流通革命 大丸松阪屋、再生の25年』 
(J・フロントリテイリング相談役 奥田務 著/日経BP社)
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「一燈を揚げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め」

 幕末の儒学者、佐藤一斎の語録「言志四録」にこうした一節があります。
 一寸先も見えないような暗闇の中では、誰もが不安を抱き、心を乱してしまい
 ます。

 しかし、どんなに先の見えない状況でも、嘆き悲しんではいけません。
 明かりを頼りに、ただひたすら自分を信じて迷わず進め。
 そんな意味の言葉です。この言葉が私の経営者人生を支えてくれました。

 経営者の仕事は決断の連続です。
 決断を下すまで、経営者は皆、深く悩み、迷うのではないでしょうか。
 私は"宇宙人"とやゆされたくらいですから、決断に対して周囲の理解を得られ
 ないこともたくさんありました。
 先代や先々代の経営者の実績を否定したこともありますから、当然でしょう。
「あいつは変わった経営者や」と言われ、決断に自信を失うこともありました。
 まさに暗闇を手探りで歩いているような気持に陥ったことが何度もあったのです。
 ですが、そんな時でも経営者は決断を下し続けなければなりません。

 そのためには、「一燈」を信じて進むしかありませんでした。
「一燈」とは「高い志」のことではないでしょうか。どんなに暗く、先の見えない
 状況でも、自らの高い志を信じて信念を貫き通さねばなりません。(中略)

 時には、自らの過去の事業を否定する厳しい選択に迫られることもあるでしょう。
 けれど、躊躇してはいけません。経営者の仕事とは、常に変化と戦うことです。
 ピンチの裏には必ずチャンスが潜んでいます。

 経営改革とは、行き着くところは時代や消費者の変化を先取りし、企業のあり方や
 企業文化、そこで働く人々の意識と行動を変え続けていくことなのです。
 改革は永遠であり、立ち止まることは許されません。
 常に「未完」の地図を描き続けることが経営です。
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大丸の経営理念「先義後利」は、元文元年(1736年)、業祖・下村彦右衛門に
よって事業の根本理念として定められました。
江戸時代中期の思想家、石田梅岩の「商人道」で説かれた「真の商人はさきも立ち、
われも立つことを思うなり」に通ずるものがあります。

武士道、茶道、商人道と、日本には昔から真理を探究し極める世界を「道」という
言葉にしています。
又、その成長のプロセスを「守」・「破」・「離」で説いています。

「守」は、基本の型を徹底的に身に着ける習熟の段階
「破」は、その習熟した型を破って応用する段階
「離」は、それらに創意を加え、最終的に自分独自の型を追求し確立する段階 です。

このプロセスを経ないと、我流で基礎のない「型なし」となってしまいます。
そして、「離」へ到達したとしても、更に別の次元の「守・破・離」に、
常に挑戦し続けられる人物こそが"真の一流"ではないでしょうか。

奥田務氏の場合も、国内、海外の百貨店で徹底的に基本を身に着け、「最大の顧客
満足を、最小のコストで実現する。」という従来の百貨店の経営手法とは違った型
を確立されました。
現在は、百貨店のない新たな商業施設、専門店事業、SC事業を組み合わせた独自の
型に挑戦されています。
2017年秋に、松阪屋上野店はパルコを中心とした百貨店のない高層複合ビルに変わり
専門店PLAZAの海外展開は、更に速度が増しています。

正に、「守・破・離」の実践です。

既に押し寄せている、少子高齢化、人材確保の苦難の大波にどう立ち向かうか?
今まで歩んできた"自らの道"の真価が問われます。

「一燈を揚げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め」

未完の地図は、経営改革の志なしには描けません。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光

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