社長の一言集

第24号 会社はお客様の為に存在する

2008/05/29
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
会社はお客様の為に存在する
                    2008年05月29日 24号
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

約20年ほど前に、神奈川県で大規模な消費購買調査を実施したことが
あります。その中のある回答者の意見に「私の家から近くのコンビニ
まで10分も時間がかかるので、もっと近くにコンビニをつくって欲しい」
という要望が明記されていました。
その時は、随分わがままな意見だと感じた事を今でも覚えています。
しかし現在は、都心・住宅街だと5分圏内にはコンビニが存在し、更に
宅配まで行っている事例すらあります。
少子高齢化が進む中で、近くて便利というニーズは更に高まり、主力
ターゲットを高齢者にした新しい業態も生まれてきています。

SC(ショッピングセンター)業界も、あと数年で3000施設に
なろうとしています。
数年前、「SC全盛の時代」と言われたのは記憶に新しいと思います。
先日、ある大手SC企業のトップが全国で100施設を閉店し、中国
市場を拡大するという報道が流れました。
SCの大量出店で地域の商店街は崩壊し、SC独壇場になった地方都市
も少なくはありません。
しかし、無秩序な競合出店によりSCの業績、効率は決して良いものでは
ありません。
採算に合わないから、という理由で撤退してしまうと、その町の生活者
の利便性は根底から崩れてしまいます。
商業は地域の生活・文化・福祉等様々な役割を担っています。
昔の商業者の経営理念には必ず「お客様の為に」という熱い想いが
盛り込まれていました。
今はどうでしょう?

企業の拡大は「膨張」と「成長」の二種類のパターンがあると思います。
今までその企業が、お客様の為に人材力・経営能力を伴った「成長」を
してきたのか、会社の拡大のために人材力・経営能力を無視した「膨張」
をしてきたのかが業績を含め色々なカタチで露呈してくると思います。
資源の高騰、人材不足、景気の低迷等外部環境は厳しいものがあります。
この状況は、更に厳しくなっていく事でしょう。
しかし、それはピンチであると同時にチャンスとしてしっかり捉える
必要があります。
消費者・生活者の厳しい選考会が始まったと考えれば、選考会に残る
価値のある企業であればチャンスなのです。
お客様の為に、変化に対応・適応できる企業になる必要があります。

企業は、ある規模、年数を経ると変化が出来なくなります。
「お客様の為にお店が存在する」という視点から
「お店の為にお客様が存在する」という視点になってしまいます。
それも無意識に...。
この時点でその会社の存在価値は無くなっているのです。

経営の真の課題は「お客様の為に環境変化に素直に適応する事」に
尽きるのではないかと最近考えます。
そのためには自らを含め、「学び続け変化を先取りする人づくり」を
急ぐ必要がありそうです。

                      株式会社リゾーム
                      代表取締役 中山博光

+--------------------------------------------------------------+