社長の一言集

第160号「鍬を持って耕しながら夢を見る人になろう」

2019/11/29

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「鍬を持って耕しながら夢を見る人になろう」
                            2019年160号
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お陰様でリゾームは、来年9月で創業30年を迎えます。

佐賀出身の私が、縁のなかった岡山でリゾームを創業できたのも、本当に不思議なご縁だったと思います。

リゾームは平成3年に、「日本の流通業のお客様の繁栄を支える根になろう」という夢だけで始めた社長一人、パートの事務員さん一人の会社でした。土地勘も、伝手もない岡山での創業は、お客様も、商品も、資金も、人材もない、正に無鉄砲なスタートでした。

創業から10年間は、お客様の繁栄を支えるような仕事などなく、日々、食べてくことに精一杯で、目先の仕事でなんとかしのいでいました。

しかし、運命というものは面白いもので、10年間もがんばっていると、少しずつ夢がカタチになってくるのでしょうか。色々なご縁の繋がりで、ショッピングセンターの顧客分析システムに関連した仕事が舞い込んできました。

システムの知識、経験はまったくありませんでしたが、なんとかそのチャンスを活かし、お客様の情報活用の最初の商品を創ることが出来たのです。

おそらく、私が目先の仕事をどんなに一生懸命していたとしても、今のリゾームは存在していなかったと思います。
自社の商品もなく、独自性もなく、食べていくことだけが目的の会社になり、リゾームは早々に消滅していたでしょう。

「お客様の繁栄を支える根になろう」という夢があったおかげで、リゾームの未来が創造できたのだと思います。

それを、改めて実感させられた文章がありましたので、ご紹介いたします。

『わが人生に刻む30の言葉』牛尾治朗氏 月刊誌「致知」より

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三十年ほど前にソニーの厚木工場を見学したことがあります。
創始者の井深大さんがまだ第一線で活躍されていたころです。
何よりも私の目をとらえたのは、 工場に掲げられたスローガンでした。

工場にスローガンを掲げるのは、どこでもやっていることです。
私の目を奪ったのはその中身です。中身の素晴らしさに私は感動したのです。
「鍬を持って耕しながら夢を見る人になろう」
これがスローガンの言葉でした。

人間は鍬を持って耕すと、 ともすれば耕すことだけにとらわれがちです。

わが身を振っても大いに思い当たるのですが、経営者は
ことにそうではないでしょうか。

耕して、そこから得る収穫に一所懸命になってしまう。

ところが、耕すことに熱中していると、やがていくら
努力しても収穫が増えない状態に遭遇します。
増えないどころか、じり貧に陥ってきます。

夢がなければ発展しません。耕す努力だけでなく、
夢を実現する努力がないと、 物事は必ず行き詰まるのです。

ところが、夢を見るとなると、もっぱら夢を見ることに
かまけてしまいがちになるのも人間です。

夢から夢を追いかける具合になって、単なる夢想に
陥ってしまう傾向があります。

耕しながら、夢を見ることが大事なのです。

耕す努力を続けていれば、夢はどうしても地に足がついたものになります。
それだけ実現の可能性も高まるというものです。

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世界のソニーの前身である「東京通信工業」を戦後に創設した井深大氏は、「自分たちの持てる技術を、世の中に役立てていきたい」という夢はあったものの、最初はラジオの修理、改造でしのいでいた時期があったそうです。

夢を持ちながら、耕す努力を精一杯されていたのですね。

我々の会社は何のためにあるのか?
我々の会社はどこを目指しているのか?
今、我々は何処に位置しているのか?

という問いを常に繰り返し、愚直に耕し続け、鍛錬する力こそが「真の経営」、「夢の実現の道」なのかもしれません。

                                 

株式会社リゾーム

代表取締役 中山博光