社長の一言集

第130号 「備えあれば憂いなし」

2017/04/21
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「備えあれば憂いなし」
                            2017年130号
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東日本大震災から、今年3月で6年が過ぎました。
東北各地では物理的な復興が進むその陰で、心の復興は据え置かれたままに
なっています。
原発避難先での子供たちのいじめ問題にも心が痛みます。

その後、2016年4月には震度7を観測した熊本地震が発生してます。

2011年の東日本大震災から2ヶ月後のメルマガ60号を読み返してみました。
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 「事後の百策より事前の一策」を今回の東日本大震災では痛感させられまし
 た。
 天災、人災、国災という「複合連鎖災害」です。福島原発の補助電源が津波
 の影響を受けないように建設時に施していたら、今の日本の厳しい状況(世
 界の原発問題含め)は激変していたはずです。
 安全、安心より経済性・コストを優先した結果です。
 正に魔がさした判断です。
 「備えあれば憂いなし」ではなく、「憂いなければ備えなし」の泥縄状態を
 つくってしまいました。

 私が訪れた仙台の海岸地区は見渡す限り瓦礫の平原で想像を絶する惨状でし
 た。
 震災の40日後でも、足がすくみ、心も凍りつく思いがしました。
 憂いを忘れた奢りの経営が招いた結果といえます。
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最近の原発再稼働の判決や、復興大臣の暴言問題等のニュースを見ていると
大きな国難で学んだことに新たな「魔」が入らないか、大変危惧します。

当事者でなければ、その危機が及ぼす本当の苦しさ、大変さは分かりません。
私も含め「茹で蛙」状態で「まだ、なんとかなる」と、今日を生きているのが
実情ではないでしょうか?

政府の首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告によると、M7級の
首都圏直下型地震が起きる確率が今後「30年以内に70%」と、高レベルである
ことも発表されています。

ドラッカー博士の言葉より
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 幸か不幸か、いかなる組織も危機に襲われる
 必ず襲われる
 そのときがリーダーに頼る時である
 リーダーにとって最も重要な仕事は、危機の到来を予期することである
 回避するためでなく備えるためである。
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 事業定義が陳腐化してきたときの最初の反応は、保身である。
 現実を直視せず何事も起こっていないかのように振る舞う。
 次によく見られる反応が、小手先の対策である。
 こうして気がついたときには惨事となっている。
 今日の日本の苦悩の最大要因である。
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経営学者であり社会学者のドラッカー博士の言葉は、私たちが大きな課題に
向かい合った時に、的確で本質を突いたメッセージとなります。
10年、20年昔の博士のメッセージに、新鮮で大きな気づきを頂くことがよく
あります。

「備える」事の重要さが、今後益々高まります。
今後、自分たちは未来に向けて何に備えるか?
自分たちの老後だけの未来なのか、子や孫たちの代までの未来なのか?
それが人としての生きざまであり、会社としての存在価値の表れなのかも
しれません。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光
                                                                  
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