社長の一言集

リゾームが発行するメールマガジンに連載している『社長の一言』のバックナンバーです。

第134号 「夢持ち続け日々精進」

昨年10月に東洋経済新報社から出版されたLIFE SHIFT「100年時代の人生戦略」
(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著)が、今でもよく売れてい
ます。
100年人生では、年齢に関係なく能力を時代に適応させ、自らの価値を高める
事が求められます。

室町初期、能を大成した世阿弥が、晩年60歳を過ぎた頃に書いた「花鏡」に
「当流に、万能一徳の一句あり。初心忘るべからず」と述べています。

その花鏡では「三つの初心」を説いています。

一.是非の初心忘るべからず
一.時々の初心忘るべからず
一.老後の初心忘るべからず

「是非の初心忘るべからず」
若い時の失敗や、未経験による苦労によって身につけた芸(経験)は決して忘れ
てはならない。それが、後々の成功の糧(基)になる。

「時々の初心忘るべからず」
歳と経験を重ねていく過程で会得した芸を、「時々の初心」という。青年期、
壮年期、老齢期に至るまで、その時々に合った演じ方を常に初心の心で身に
つけ、成長していくことが大切である。

「老後の初心忘るべからず」
老齢期には老齢期でなければ分からない試練や葛藤がある。
その芸風を新たに身につけることが「老後の初心」である。歳をとったから、
経験があるから完成されたということではなく、老齢期を迎えてこそ分かる
事や初めて習う事があり、乗り越えなければならない芸の境地である。

このように、「初心忘るべからず」とは、単に新人向けの戒めの言葉ではなく、
人生そのもの、更に経営にも通じる世阿弥の教えです。

与えられた未知なる変化、状況に対しては過去の成功体験を脱ぎ捨て、新たな
心で挑戦していく事が大切です。
そして、更なる成長のために、失敗から学び自分の知恵にしていかなければい
けません。

TV通販でおなじみのジャパネットたかたの創業者田氏も、世阿弥の共感者で
す。

ジャパネットたかた 田明氏著
 「伝えることから始めよう」 東洋経済新報社 より
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 目標は持たない経営に徹してきた私ですが、自分自身が向上する、会社を成
 長させるということについては強い意識を持ってきました。

 しかも、大きな向上を常に目指す。
 そんなことではできないと思われるようなことでも、成功する姿をイメージ
 して挑戦してきました。

 私が思っていることを口に出すと、「そんなのできない」と言われることが
 よくありました。
 しかし、私はできないと決めているのは、その人自身だ、やろうとする前か
 ら、できないと決めつけていては何もできないと思っていました。

 本気になって、死にものぐるいになれば、大抵のことはなんだってできるよ
 うになると思うのです。

 一流を目指す人は、「できない」なんて決めつけません。
 「できない」と思うようなことに果敢にぶつかっていきますよね。

 一流になりたいと願う人はたくさんいますが、本当になりたいなら、
 本気で行動しなければいけません。大きな向上を目指さないと、
 一流には近づいていけないと思うのです。

 世阿弥は「自己更新」ということを説きました。
 一流であり続けようとするなら、死ぬまで自己更新していかなければ、なれ
 ません。
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田氏は色紙を頼まれると「夢持ち続け日々精進」という言葉を好んで書く
そうです。
経営者を卒業された田氏は人生の次のステージでどんな花を咲かせるのか?
目が離せません。

                       株式会社リゾーム
                        代表取締役 中山博光                                                                                           
                                                                  
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