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少数精鋭な人員規模で最大の効果を得られる業務環境を。
ルミネのビジネスの特徴は、ターミナル駅に立地しているという特性を活かし、異業種、異業態のショップを幅広く導入し、いま、そこにある顧客ニーズに的確に応えていくことにあります。そのため、ルミネの店舗では時代に即した活力あるショップとの入れ替えを積極的に図っています。「お客様の動向によって新規ショップの入店が判断されることになりますが、年間売場面積の15%程度のショップが入れ替わることも珍しくありません」(株式会社ルミネ
総合企画部 システムグループ 議長代理 白鳥勇二氏)。
こうしたルミネの判断には顧客動向の分析が不可欠であり、同社では、以前から FSP (Frequent Shoppers Program :登録顧客のプロファイルと購買動向、分析を販売戦略へ結びつける流通マーケティング手法)
に取り組んでおり、1997年からスタートした「ルミネカード」が、その重要な役割を果たしています。白鳥氏はその意義を説明します。
「ルミネの担当スタッフは総勢で300名程度の規模ですが、営業担当者はそれぞれに担当フロアを持ち、『フロアマスター』として数多くのショップを担当することになります。こうした運営を行っていく際には、『フロアマスター』がお客様がどのような商品に興味を持っているかを、詳細に把握しておくことが大切なのです」(株式会社ルミネ
総合企画部 システムグループ 議長代理 白鳥勇二氏)。
販売動向分析のための設備の不足解消を目指して。
こうして得られるカード会員の購買動向については、1999年ごろから基幹系のシステムを使って、各ショップに置かれたPOS端末のデータを夜間のバッチ処理で
Red Brick Warehouseに連携させて、Business Objectsを用いた分析用のアプリケーションで処理していました。「導入当初は画期的なもので、分析作業用の端末は各店舗に1台ずつ配備していました」(株式会社ルミネ
総合企画部 システムグループ 土屋葉子 氏)。
一方で、その専門性などを要因として、操作面で自由度が低いなどの課題も見出されていました。「正しくコマンドを使用すればしかるべき結果は得られますが、分析担当者には自らクエリを書く必要があるなど、敷居が高かったのも事実です」(白鳥氏)。新規出店交渉などの営業活動に利用する場合、既存のデータを分析しレポート化することに2〜3日かかることも日常的であったといいます。もちろん、各店舗、各フロアの販売動向などの現場の生きた情報は、ルミネの営業担当者にとって最大の武器になります。「私たちが属する総合企画部は、会社全体の方向性や指針を策定する立場にあり、現場の営業スタッフが使いやすいシステムの提供も、そのミッションに含まれています。既存のデータの取得、分析手法では、現場に負担がかかる一方で、データを十分活用できているとはいえないと感じていたのです」(白鳥氏)。
より効率のよいデータ分析手段を模索していた白鳥氏と土屋氏のチームは、流通業界向けのソリューションを提供している弊社と出会います。ショッピングセンター向けのソリューションを提供してきた経験を踏まえ、4つのポイントから改善手段の提案を行いました。旧ソリューションのリプレースを念頭に置いた、新システムの仕様の策定段階でフォーカスが置かれたポイントは、次の4点です。

「より効果の見込める分析ソリューションを導入するために、旧来の分析システムと同等以上の能力があり、かつ導入後の運用コストまでを踏まえた改善プランの策定にとりかかりました」と、白鳥氏は振り返ります。こうしてルミネの販売動向分析システムの新規構築がスタートしました。2004 年 2 月に正式な採用が決定され、同年 11 月の本稼動開始を目指して、構築作業が進められることとなったのです。
70 万件の顧客レコードをリアルタイム分析する高い可用性を持ったシステムの構築。
従来のシステムでは使用するスタッフを限定して運用していましたが、新しいシステムでは数多くの現場スタッフにも開放することを予定しており、そのためにシステムのキャパシティを適切に確保する必要がありました。そこでルミネは、70万人(当時)の会員情報に対してストレスなく分析作業を実施するために、弊社が新たに開発した戦略会議VGIRD版システムを導入することを決定しています。戦略会議VGIRD版システムでは、5台のSQL
Server 2000に分析データを分割配置することで大幅にレスポンス性能を向上させています。
旧来の基幹系システムでは、規模の拡大にあわせた増強をする場合にはシステム全体での拡張作業が必要であったのに対し、新システムは並列配置されたアプリケーション層で負荷分散が実行されているため、システムの拡張にも新たにSQL
Server 2000*を追加していくだけで対応できます。また、一部のサーバーダウン時もメインサーバーの代替処理機能により運用を継続できます。「大量データに対する分析の高速化と同時アクセスの実現を、安価なコストで達成するために最良の選択であったと思います」と、弊社のユーザー支援センターマネージャー川上は語ります。「たとえばデータベースに
SQL Server 2000以外のDB製品を選択することも比較検討しましたが、パフォーマンス チューニングやその運用に難が多く、SQL Server をベースとしたソリューションにすることが、すんなりと決定しました」。
さらに、新システム構築にあわせて、データベースのデザインにも新たな要素が盛り込まれました。「以前は店舗ごとでの分析実施が主体で、他店との比較は難しかったのですが、新しい環境ではストレスなく実行できるようになりました」(土屋氏)。また、旧システムでは完了までかなりの時間を見込まねばならなかった検索や絞込みといった作業も、飛躍的に高速化しているといいます。
分析データには「企業」というマスタも新たに追加され、これまでは店舗、フロア、ショップという縦軸が中心であった分析から、異なるブランドショップであってもテナント企業が同一であれば、データとして1つに扱えるようになるなど、現場に即した改良が加えられました。
また、こうした顧客情報を直接扱う環境であるがゆえに、そのセキュリティ要件に対する配慮も十分に払われています。弊社の開発課マネージャーの宮奥は、「お客様の情報に直結する部分ですので、既にルミネのシステム環境で稼動しているActive Directory*のユーザー情報の管理機能を用いて、このシステムに対する厳格なアクセス権限を設定しています」と説明します。
70 万件の顧客情報すべてに関わる全店舗の販売動向などの分析を実行した場合でも、
3 分程度で処理が完了。

こうして稼動を開始したルミネの新しい販売動向分析システムは、2004年11月から本稼動を開始しています。「以前であれば、各フロアマスターは、システム運用管理者に依頼して出力レポートを入手する必要がありましたが、現在では自らのPCで直接分析作業を実行できます」と、白鳥氏は新システムの直接の効果を高く評価します。「現在の動向をほぼリアルタイムで把握できるようになれば、各フロアマスターがショップとのコミュニケーションを行っていくうえでも、新規の出店要請を行う際でも、交渉が進めやすくなるのは言うまでもありません」。
もちろん、システムのレスポンスが向上したことは経営の意思決定を迅速化させることにも直結します。「顧客マーケティングを行う企業へレポート分析を依頼していましたから、それがPC上で実行できるので、大幅な時間の短縮ができました。これからは分析そのものにかけていた労力の削減分で、販促キャンペーンの効果測定や、ショップの入れ替え前後での効果測定などを展開したいと考えています」と、土屋氏も新システムの可能性に自信を深めています。新システムの高いレスポンスによって、以前の環境では1週間程度の期間を見込む必要があったレポート作成が、およそ半日で完了するようになりました。また、70万件の顧客情報すべてに関わる全店舗の販売動向などの分析を実行した場合でも、3分程度で処理が完了するとのことです。
「今回のシステムを活用して、『ショップカルテ』と呼ぶ分析情報を各ショップへ提供していくなど、より現場へ、お客様へ即した改善を、今後も行なっていこうと考えています」(白鳥氏)。『お客様第一』と『お客様への感謝の気持ち』を基本に、お客様に『また来よう』と感じていただくためのルミネの挑戦は、一層の飛躍を遂げようとしています。
*SQL Server 2000・Active Directoryは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。